好物の鮑の刺身コリコリと



 【風邪気味なのでお粥を炊く

 卵懸けにして頂く】


 摘めば香の籠をあふれて三葉芹  鷹羽狩行

 母生れし北播磨より三葉芹   三枝邦光

 凭れあふセロリと三つ葉夜の厨   飯塚ゑ子

 神饌の茎みづみづし三葉芹   大内佐奈枝

 風に香を移し清しき三葉芹   德田千鶴子

 三つ葉を湯掻き胡麻振りお浸しに  アロマ

 茶碗蒸し夫の好みの三葉入れ 秋山文子

 朱の椀に雑煮三葉のしやきとして 泉一九

 京三つ葉吾子と入りし和食屋に  アロマ

 あたたかやベビーベッドを設へて 竹内悦子

 四歳児に言ひまかされてあたたかし  楠原幹