覆水は盆に返らず

  最近、時々このようなことわざが当てはまりそうな場面に出会う。
 そのひとつは、静岡県知事の新規職員に対する訓示であった。
 「県の職員は、農家や畜産家と異なり、県のシンクタンクともいうべき高い知性と頭脳で重要な役を担う」と言ったようである。 
  途端に多くの人から、人の尊さを職業により差別することである、と非難が起こった。
  この反応に対して知事は、あわてて「私は、農家も畜産家も非常に重要であると思っている」と弁明した。
  おそらく知事は、県職員の自覚を促すつもりで、わかりやすく言ったつもりであろうが、反響が予想外に大きくてあわてたようである。