私が、かってジャカルタ在住時に体験した実録です。
通っていた文章教室で「生き残った(4)」として発表した作品を基にしました。
「ジャカルタの白昼強盗」(改題)
それは1987年のクリスマス翌日(土)のことである。
当時はまだ、土曜日は午前中の勤務であった。私の車は定期整備中とかで、同僚の高木の車に同乗して、ジャカルタの高級オフィス街にあるラトウプラザ32階の会社を出て、南部の住宅街にある宿舎に着いたのは12時50分ごろ。
車でおよそ20分の距離である。
総務部長である高木は先輩である私に、後席右側を譲ってくれた。運転手のアチェはもう