ウナギの罠 ヤーン・エクストレム

スエーデンの本格推理小説。1967年発表作品。

ごく小さい発電用のダムに設置されたうなぎとり用の箱罠。縦横2メートル奥行3メートルの箱の中に頭を激しく殴打された死体がある。うなぎを取り出すために中に下りる梯子段があり、天井に蓋がある。これには開閉には鍵が必要な南京錠がかかっている。

いわゆる密室殺人事件で、本格推理の王道である。

この謎解きも興味深いが、殺された男をめぐる周囲の人たちのエピソードが面白い。緑豊かなスエーデンの田舎町と、そこに住む人たちの人間模様が興味深い。謎解きにつながるので、それぞれのエピソードの一つ一つも注意深く読んでいた。