惜春やグラスに冷えた烏龍茶



 惜春の歩幅学生街の午後 稲畑廣太郎

 み吉野の惜春の庭あるがまま 今橋眞理子

 惜春の鉄橋赤き電車のせ 宮崎紗伎

 惜春やバカラグラスの淡き影 大沢美智子

 惜春やグラスに冷えた烏龍茶   アロマ

 惜春や暁鳩のくぐみ鳴き 後藤大

 惜春の虹を立たせて夕べ来し  稲畑汀子

 惜春の猪口を湯呑に替へにけり  亀田愚風

 惜春の夕映えにただ浸りつつ   アロマ

 惜春の渚に星とあそびたり  邑橋淑子
 
 惜春の灯台星の満つるまで  祐森彌香

 調弦を了へ惜春の大ホール  能村研三

 紅茶の香惜春の情細やかに  アロマ

 惜春