パーソナルフォト

ポルトガル ブサコパレス階段 タイル画

アズレージョと呼ばれるタイル画の階段をどうしても見たくて、スペインのサンチャゴコンポステーラから何時間もかけ、ポルトガルにバスで入国しました。(乙女チックの延長にある興味も、もうここまで来たらビョーキかも(苦笑))

このホテル『ブサコ・パレス』は、ポルトガル最後の国王であるマヌエル2世が離宮として利用していたもので、豪華で荘厳な佇まいと、階段の周辺を飾るアズレージョが、かつての王家の優美な歴史と暮らしを物語っています。

この階段を行き来した人々の姿が、笑い声が、愛の囁きが、悲しみの顔が、今もなおそこにあるようで、見えない姿に目を凝らし、聞こえない声に耳をそばだて、そして遠い時代に思いを馳せ、私はしばらく階段を見つめていたことを今も思い出します。

時空を超え過去に行き交った人々の声を思うとき、自分が生きている今という時代や人のえにし(縁)の奇しき仕組みに、そのどうにも持ちきれないような時の重みと偶然という必然を感じずにはいられません。そして、そののち身体のどこかからか湧き出てくるような生きることへの真摯な気持ちは、過去と現在に掛けられた旅の橋からの大きな贈り物なのかもしれないと思うのです。

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