北国の四季 II

久々の野鳥観望―――

               冬場のドバト_202301111

🕊️:大袈裟なって思うでしょうけど、かつ私の家には敷地の南角に高さ10mになる松の木が50年も掛かって生えていた。
 毎年、冬場からヒヨドリ、カワラヒワなどが春から秋に掛けてはシジュウカラやたまに小野鳥を追ってタカなども来たりと、ヤマガラや超珍しくゴジュウカラもウチの松目指してやっては来て居た。だから自然と小さな庭でも野鳥の小楽園化して一年中楽しませて呉れて居た。
 その麓にはイボタも植えて、その実の群れは冬場の食糧の枯渇期に小野鳥たちの補給場にもなっていた。
 数年前、近隣の環境も急速な住宅地の発展で異種の住人たちが増えて、環境云々も取り沙汰される様なコトに成り、松の木が古くなってるのも有り、台風などの強風時に倒壊したらと云う文句が出始めていた。まあ、そういうコトは有るかもな~とは思っていたが、遂に隣に強力なクレーマーが引っ越してきて挨拶も無いまま、いきなり『切ってくれ』と切り出したおぞましさで、平穏だったこの町内の気分がドン悪に成り又数年我慢してはいたが、松の枯れ葉でウチの敷地が汚くて大変だからという理由の上乗せで圧してきたから遂に100万出して自費で伐採業者に願い出て切り倒さねばならなくなり、すっかり風景が豹変してしまった。金出さされて切り倒してこの地への引っ越し記念で植樹した幼年の松の木がある歳50年の誕生日を迎える前に切り倒されてと『踏んだり蹴ったり』の時が有って、その日以来野鳥たちの止まり木・安らぎの小森が無くなって誰も来なくなってしまった。そういう虚しさから数年。ナンとか残した根っ子の枯渇さを観る毎に想い出で逢えるコトで懐かしさを待つと共有している有難さで暮らす日々となっていたから、野鳥たちへの想いも疎くなっていた頃の今だった。

 久々の羽音やゴロゴロっというドバトの喉鳴きで『あ❣』と窓の外に目を振ると、ドバトが二羽も雪の堤を突いている。ソコはイボタの実や葉が落ちて散らばっているところだった。ソレを突いて鳩は暫くはウチの庭先を行ったり来たりしているのだった。
 普段は近くのゴミステーションを荒らしに来る、カラスの大群を疎ましく見遣っては脅かしてゴミを散らばさないようしているのだったが、鳩だ。

 この鳩を手引きにして、やがてまたカワラヒワやシジュウカラたちが巡って来ますようにと淡く願ってみるのだった。


🕊️彡彡彡

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