タンポポの風より出づる始発駅 野口香葉 庭飾る緑の中のタンポポや 水谷直子 タンポポの黄はお日様に似ている アロマ 隊長はポチですタンポポ探険隊 松木知子 タンポポのブローチ黄色野を走る アロマ 病院の芝のタンポポただひとつ 岩田ひろあき 春落葉ほろりほろりと平家村 山田弘子 幾段も春落葉踏む蔵王堂 国分七穂 回廊をころがつてゆく春…
いちめんの旋る花菜の汽車の窓 京極杞陽 くくたち上巻 アロハ着て楽団終列車を占めし 長谷川かな女 花 季 あてどなき汽車乗りすてし冬の海 高橋良子 うち倚るや秋色暮るゝ汽車の窓 日野草城 はだれ野の涯や大きく汽車曲る 中村苑子 雨期の国薪木を焚きて汽車走る 高野素十 なほ稲田ゆく汽車妻が下りし汽車 山口誓子 なほ北に行く汽車とまり夏の月 中村汀女 …
まだ暮れぬ虹に閉店のばしけり 毛塚静枝 たてこむ街を丸洗ひして虹が出た 磯貝碧蹄館 握手 ふところに夏季手当虹二重なす 皆川白陀 をさなごのひとさしゆびにかかる虹 草城 インカの子虹に向つて石を打つ 高野素十 昔より緩やかな弧の虹立って アロマ 人をらぬ噴水ひたにゑがく虹 木下夕爾 今立ちしばかりの虹に春田打つ 細見綾子 黄 瀬 古代遺跡の虹のむ…