風落ちてたちまち残暑つのりくる 稲畑汀子 嶺に雲盆地の底の残暑かな 野畑さゆり まだ残る暑さやプリンアラモード 本間瓦子 春迎ふ国の友から残暑見舞 赤座典子 降り立てば江戸の残暑を忘れもし 稲畑廣太郎 残暑とはいえ盛夏と変わりなく アロマ 日めくりを剥ぎて只今より残暑 林翔 メロンソーダ碧くシュワシュワ飲み干して アロマ…
涼風に交すことばのさらさらと 市村健夫 涼風の抜けて金環日食に 稲畑汀子 涼風に洗濯物のさわさわと アロマ 夕暮れに涼風流れ赤とんぼ 山本草風 涼風のある路地もまた古都らしく 今橋眞理子 涼風に夕暮れ近い物の影 アロマ 涼風や掛け声ひびく朝の市 後藤克彦 涼風や駅のホームを抜けて過ぐ 石川憲二 樹間に涼風揺蕩い碧味帯ぶ アロマ 涼風や今日は…
《 二月朔日 今の時間はやや暖かい 先ほど焙じ茶を淹れ ハムエッグと海苔つくだ煮で 朝餉を済ませた 焙じ茶の温さにほっこりとする 細切りの塩昆布も美味しい 》 言葉数日々増ゆる子や春隣 住田千代子 オリオンを横切る雲の春隣 橋本くに彦 この風もこの水音も春隣 稲畑廣太郎 キャラメルの箱に天使や春隣 有松洋子 故郷の水はゆたかに…