コスモスの数より多く見せて風 　嶋田一歩 　コスモスの花見えて駅現はれし 　右城暮石 　カレンダーにコスモスの花麗しく　　アロマ 　コスモスも切符の色も淡き旅 　中嶋秀子 　コスモスの裏口出れば日本海 　長谷川エミ 　コスモスに風ある日かな咲き殖ゆる　 杉田久女 　色あらばコスモスに吹く風は白 　石川文子 　花よりも灯影やさしき秋桜　 古賀まり…

　コスモスの昔に似たる斜陽かな 　百合山羽公 樂土 　コスモスの紅白ソ連船入港す 　村山故郷 　コスモスの平原に真っ青な空　アロマ 　コスモスの色の分れ目通れさう　 稲畑汀子 　コスモスの花見えて駅現れし　 右城暮石 虻峠 　コスモスやかるき思ひの日当れる　 鷲谷七菜子 花寂び 　秋桜刺繍の花の可憐さよ　　アロマ 　コスモスや屋根明るくて湖に寺　 森澄雄 　コスモスや配給米充…

　この頃の空コスモスの色似合ふ 　後藤比奈夫 初心 　そのへんに子ら殖えゆふべ秋ざくら 　木村蕪城 寒泉 　草木の色も仄かに秋めいて　アロマ 　どの角も親しき小字秋ざくら　 梓沢あづさ 　コスモスとしか言ひやうのなき色も 　後藤比奈夫 　コスモスに空の時雨の来はじめる　 右城暮石 　コスモスの一輪月にとどきたる　 山口青邨 　コスモスの押しよせてゐる厨口 　清崎敏郎 　コスモス…

　コスモスの一輪月にとどきたる 　山口青邨 　コスモスの一重がとはにあたらしく 　右城暮石 句集外 昭和九年 　コスモスの倒れ～し花の数　 高野素十 　コスモスの凡そ百輪色同じ　 水原秋櫻子 餘生 　コスモスの半ば途切れし所あり 　右城暮石 散歩圏 　コスモスの原といふべし英彦の坊 　阿波野青畝 　コスモスの君と言はれし人思ふ　 山口青邨 　コスモスの咲き乱るるよ旅人に　 村山故…