「筒井康隆」の日記一覧

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ルピナスの哀愁

若い頃、大嫌いだった奴さえ好きになる老年の感覚。それが好き。「我が良きウルフ」よろしく、ルピナス キッドの哀愁の涙が止まらない。

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人生に不道徳な愛欲を求める

地球上では、人間だけが分節化された言語を持ち、言語が人間の世界を作っている。この概念は、本当に役に立つ。人間の人生も社会も、教科書に残る歴史も一人の記憶からも消え去る人生の出来事も、全て言語による認知でできている。 すなわち、全てが物語であるということ・・・ 人間が犯す愚かな戦争も、恋人同士の小さないさかいも物語であり、そういう意味では大差ないのだ。善も悪も、愛も憎しみも、全てが人間が勝手に…

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恋愛の切なさ

最近、夜はいつも凄く聖なる夜。切ないけれど、好きな人を想う幸せな夜。毎年思うけど12月は、やはり特別な時間が深々と流れてる。 「時は、過ぎ去っていくものではないんだよ。それは、やってるものなんだ・・・」 そんな気分になる、聖なる夜。

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予定調和

 筒井康隆の「モナドの領域」を読了した。著者は、小松左京、星新一と並ぶ初期日本SFの代表的作家であるが、ブラックユーモア、メタフィクション等、レパートリーは広く、最近は純文学作品を手掛けることも多い。小説家以外でも、脚本家、俳優、ジャズ演奏家等としても活躍しており、多芸である。本書は、筒井流大審問官である。  物語は、河川敷で女性の右腕が発見されたところから始まる。発見者は美大生の實石夏生である…

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アホの壁

筒井康隆の「アホの壁」を読了した。著者は、小松左京、星新一と並ぶ日本の代表的SF作家であるが、最近は純文学作品を手掛けることも多い。小説家以外でも、脚本家、俳優、ジャズ演奏家等としても活躍しており、多芸である。本書は、著者得意のフロイト流精神分析論を駆使して、真面目に「アホ」を論じたエッセイである。  序章「なぜこんなアホな本を書いたか」:出版社から執筆を依頼された「人間の器量」というタイトルの…