あれは二十歳の頃、木枯らしピューピューな冬の寒い晩でした。日比谷高校定時制に地下鉄を乗り継いで通っていました。 深夜のこと、人影もまばらな赤坂見附の階段を駆け下りていったらふわっと地下から暖かい風が舞い上がりました。そして、すれ違った黒マン男の黒いマントの裾が翻り、深紅の裏地がぱぁっと目に飛び込みました。見上げてその人の顔を見たら仲代達矢その人でした。
a新聞の日曜版に、6/3日公開される映画「海辺のリア」(主演 仲代達矢)の紹介記事が掲載されていた。 知らない人のいないこの仲代達矢という名優も、 今は84歳になられたそうだ。 ある意味この作品が最後の映画になるかもしれない。 主人公兆吉は、 65年の俳優生活を大スターとして過ごしたが、 ここのところ認知症気味の老人。 あらすじ 舞台や映画で半世紀以上も活躍し続け、俳優養成所も主宰…
秀吉から家康の時代、前田家から秀吉の養女になった豪姫という超お転婆なお姫様がいた。 秀吉に寵愛され千利休の死後秀吉に仕える物部織部や高村右近など名だたる茶人武将にも愛される。秀吉、家康、権力者の狂気と武士封建社会の不条理と茶道陶芸に象徴される人間の自然な感情の発露と美。そんなせめぎ合いの美しい狂おしい絵を見せてくれる映画である。 この原作は富士正晴の「豪姫」。これも数少ない私の時代小説保存版で…
今の時代も皆無とは言えない! 江戸時代幕藩体制、武士社会の組織防衛、非情不条理。 仲代達矢の眼は狂気凶器であり妖気が漂う。 まだ切れるような色気はない若き日の岩下志麻が娘役。 しかし、後年の凄みの片鱗はあり。 以前に観たと思っていたが「上意討ち」と勘違いしていた。この作品は初見。 仲代達矢本人が、自身の出演作で一番と言うに値する作品である。 http://booklog.jp/users/no…