こういうのを誰かメロディーをつけて歌ってくれないかと思う。臨死のバラッドとかのタイトルで。アコースティックギター1本で伴奏をつけて淡々と歌う。 臨死船 知らぬ間にあの世行きの連絡船に乗っていた けっこう混みあっている 年寄りが多いが若い人もいる 驚いたことにちらほら赤ん坊もいる 連れがいなくてひとり者がほとんどだが 中にはおびえたように身を寄せ合った男女もいる あの世へ行くのは容易…
明日8月15日のまえに、新聞で紹介された谷川俊太郎の詩集から 平和 「うつむく青年」(山梨シルクセンター出版部)「自選 谷川俊太郎詩集」(岩波文庫)から 平和 それは空気のように あたりまえなものだ それを願う必要はない ただそれを呼吸していればいい 平和 それは今日のように 退屈なものだ それを歌う必要はない ただそれに耐えればいい 平和 それは散文のように 素気ないものだ それを…
どういうわけか私は『二十憶光年の孤独』という言葉を最近しきりに想う。 私の頭というか心というか胸のあたりというか、ともかく此の言葉が私のうちに淋しく去来するのだ。 この言葉が谷川俊太郎の詩の題名であることは私は以前より知っていが、その詩そのものは何も知らなかった。 しかし、この言葉が、最近、或る悲しい色彩をもって私のなかに切実に去来する。 *** 「まっちゃん」という人が先日、乳がんで…
5日に86歳で亡くなった詩人・評論家の大岡信(まこと)さんとの親交が、約60年に及ぶ詩人の谷川俊太郎さん(85)。 「一人で死を悼みたい」と沈黙を守ってきたが、朝日新聞に書き下ろしの追悼の詩を寄せた。 本当はヒトの言葉で君を送りたくない 砂浜に寄せては返す波音で 風にそよぐ木々の葉音で 君を送りたい 声と文字に別れを告げて 君はあっさりと意味を後にした 朝露と腐葉土と星々と月の ヒトの言葉…