陶器市秋立つ音をさせて売る 小澤克己 秋立つや山に小さな美術館 前田達江 秋立つ日台風七号の報じられ アロマ 秋立つや六甲影を深々と 林和子 秋立つや咲き初めしもの果てしもの 辻口静夫 秋立つやきのふと違ふ山の色 岩月優美子 秋立つ日さらさらとさわさわと風 渡邊千枝子 咲きつげる日々草に秋立てり 石井邦子 秋立つと風…
対馬山猫ひそみて青葉闇深き 花藤原照子 幽谷の七堂伽藍青葉闇 木村冨美子 青葉闇物憂く歩み里に出る アロマ 青葉闇ワーズワースの墓訪へば 岡田房子 くろがねの稚魚わき出づる青葉闇 戸栗末廣 飯桐の花の敷き積む青葉闇 芝尚子 青葉闇白い洋館隠れ建つ アロマ 沢床のやうな石段青葉闇 原田達夫 特攻隊の三角兵舎青葉闇 坂上香菜 …
青空に万緑も又抱かるる 稲畑汀子 万緑や香の物出て飯が出て 山田六甲 万緑に透けて木洩日水の音 稲畑汀子 万緑にひそむや戯画の鳥けもの 内田雅子 万緑や湧く画眉鳥の声ひとつ 阿部ひろし 万緑の庭に英国式紅茶 史あかり 万緑を映してゐたり蓼科湖 阿部文子 万緑の中のさみどり炎立つ 大坂輝子 風鈴の奏でながらに吊られけり …
兜虫落ちてまた飛ぶ雹の中 藤原如水 クリスタル砕けたるごと夕立雹 関森勝夫 ベルサイユ宮殿を打つ雹の玉 大沢ひろし かきくもる空より雹をたゝきつけ 夏目麦周 五月の空掻き曇り雹が降る アロマ 秋刀魚焼く煙たちのぼる雹のあと 飯田龍太 午後三時夏の空より雹が降る アロマ 大皿にたまりし雹や陶器市 栗原政子 取りあへず苗一籠や雹見舞 斎藤俳小星 …