「いや、どうもお邪魔をしました」 小僧が汲んで来た番茶を一杯飲んで、半七は会津屋の店を出た(半七捕物帳「湯屋の二階」より) お茶というものは、もう日本の風景にはかかせないもので、半七捕物帳でも聞き込み先で、お茶を一杯なんてシーンもあるくらいです。さて、なぜ江戸時代とお茶なのか?ですね。そもそもお茶は古く日本では平安時代からあったようです。ただし、今でいうお茶はちょっと違うんです。ここで半七…
~つまりは人間の好奇心とか云うのでしょうか、だまされると知りながら木戸銭を払うことになる。そこが香具師やしや因果物師の付け目でしょうね。観世物の種類もいろいろありますが、江戸時代にはお化けの観世物、幽霊の観世物なぞというのが時々に流行りました。~(半七捕物帳「幽霊の観世物」より) さて、幽霊です。幽霊は実は江戸時代に生まれたものなんです。というと少し語弊があるかもしれません。よくいわれる足…
ある日、例のごとく半七老人を赤坂の家にたずねると、老人はあたかも近所の碁会所から帰って来た所であった。 「あなたは碁がお好きですか」と、わたしは訊いた。 「いいえ、別に好きという程でもなく、いわゆる髪結床将棋のお仲間ですがね」と、半七老人は笑った。(半七捕物帳「薄雲の碁盤」より) 江戸時代の二大遊戯はやはり、半七の台詞からもわかる通り、囲碁と将棋なのでしょう。一方で、囲碁と将棋どちらが人気…