ひとしきり風あそばせて芋の露 木内怜子 ほほえんで大学芋が糸を引く 永末恵子 留守 よき月の行くこと遅し芋に露 阿波野青畝 をととひのことなつかしき芋の露 山本洋子 太陽を一つに纏め芋の露 深沢暁子 島までの白波見ゆる芋の秋 山本洋子 襤褸市や大学芋の金色に 辻 桃子 唐黍を*もぐ快音や空青き 川村ひろし 唐黍を干していよいよ古庇 石田波郷…
時化あとの新たなる花紅芙蓉 及川貞 夕焼 時化過ぎぬ玉蜀黍もさも疲れ 富安風生 時化あとのなまこ拾ひに僧も居て 高橋松舎 時化あとの海境しるく若布寄す 大屋達治 時化あとの弱き西日に麦を刈る 伊丹三樹彦 たらの花ひろげ曇天つつましく 伊藤凍魚 菜の花の黄が曇天を押し返す 望月末夫 渦潮の曇天にして青奈落 上野さち子 曇天の空に空気の鎮まって…