《 早朝の入浴 その前に軽い食事 》 もう少し生きむと思ふ分葱植う 神蔵器 晴れたれば比良美しといふ分葱和へ 木内徴子 好みしは母直伝の分葱ぬた 蓮尾みどり 一畝の分葱そよそよ春近し 鳥居美智子 一滴の酢で緊りけり分葱和へ 藤岡紫水 爽やかに分葱刻んで素麺に アロマ 卵黄と分葱で和えるタラコかな アロマ 稚魚の水濁して洗ふ分葱か…
今蒸し暑く 三分袖を着ている 最高気温25度とある ぴちやぴちやと粥食ぶ赤子柿若葉 降幡加代子 ふらここを漕ぐ子漕げぬ子柿若葉 土方豊子 呼べば顔出てくる小窓柿若葉 中原幸子 さらさらと食卓塩や柿若葉 横井澄子 柿若葉家新築の三代目 塚田恵美子 柿若葉食べられそうな色つやよ アロマ 藁屋根に濃きはだら日や柿若葉 淵脇…
自転車にまたがったまま花吹雪 高澤良一 燕音 自転車に積みゆく傘や花の雨 比叡 野村泊月 自転車のかごの一番上が桃 藤本幸江 自転車に昔の住所柿若葉 小川軽舟 自転車のセーター赤し林透き 谷迪子 吾子の自転車リトルツインスター アロマ 自転車の左は秋の日暮れかな 原 初美 自転車の妻に驚く鰯雲 斉藤夏風 自転車も芝生に寝かせ春の雲 長谷川久…
深夜に入浴 気温の変動に戸惑う 自転車のかごの一番上が桃 藤本幸江 自転車の空気があまし冬の暮 星野麥丘人 自転車の空気入れたすみどりの日 井門 伸 こどもの日自転車納屋を出て光る 亀井糸游 ベランダに吾子の自転車塗り替えて アロマ ひまはりや保健婦自転車押して来る 椎橋清翠 駅前に溜まる自転車納税期 池田秀水 緑陰の崖に自転車立てかけて …
テニスする午前七時の若葉かな 鈴木しづ子 ネオンなき菜館ならぶ夜の若葉 大島民郎 バスの尻豊かに曲る若葉の中 並木鏡太郎 パンうまし楡若葉身に染むばかり 稲垣きくの 黄 瀬 パン種を打つ音寮の若葉雨 鳥居おさむ ピカソ展若葉に染まる人の列 山本圭子 ホース出づる水に鴛鴦浮く若葉 佐野青陽人 天の川 なめらかな美男かづらの若葉かな 富安風生 ぬ…
塩あてし鯖緊まりゆく四温の夜 伊藤いと子 塩鯖がかっと目をあけ雑木山 坪内稔典 塩鯖と何れか動く紅葉鮒 上島鬼貫 塩鯖をフライパンでじっくりと アロマ 大浪の中に底見ゆ鯖の海 前田普羅 能登蒼し 大漁の大鯖をもて余しをり 原田杉花 木星に星ぶちあたる大暑かな 広瀬杜志 手籠に鯖反り燈台へ朝の少女 松村蒼石 春霰 手花火は鯖街道を照らすなり …