昼休みにサッカー部の生徒らにまぜてもらって ゴールキーパーの練習をしてみる。 一瞬のボールの動きに精神集中して 飛びついてパンチングでシュートを 阻止するのはムズカシイけど楽しい。 グラウンドを突っ切って砂埃を巻き上げながら 黒く輝く車が走ってきて止まった。 最新型のベンツだ。 運転席から降りてきたのは蒼く光る坊主頭で 金縁に焦げ茶のサングラス、 そしてサンダルではないシブい本物の雪駄を 履い…
1学期も半ばに差しかかった頃、 体育教官室でカレンダーを見ながら 「う~ん、、、」 と唸っている俺に気付いたI丹先生が 近づいてきていつものように おどけた声をかける。 「なあ〜にをまた考え込んでるフリを してるんですか、レオセンセッ?」 この人は27才でほんとにめちゃ ハンサムなのにまったく気取らなくて なんともひょうきんで、 学校中の生徒から一番人気なのは 当然だろうし、俺とも一番親しい。 …
最近あまりログインしてなくて久しぶりです。数ヶ月前に日記にコメントを頂いていたのに気づいてなくて慌てて返信したりしてすいません。 中学高校と妹の買ってくる少女マンガを相当読んでいました。当時流行りの萩尾望都、竹宮恵子、大島弓子は全作品読みましたし、他には水樹和佳、清原なつの、長岡良子、森脇真末味あたりがお気に入りでした。まんが評論誌『ぱふ』創刊の頃で世間的にも盛り上がりがあったんだろうと思…
白土三平の訃報が流れた。 『カムイ伝』を紐解いたのは、いつの頃だったろう。 何に感化されたのか、まったく覚えていないが、 いつの間にか、読まなければならない書になっていた。 実際、手にして、 まず、表紙をめくることに、ためらいがあった。 装丁を含め、全体の様相は漫画本としてはどことなく重々しい。 そこに真の歴史が隠されているということは朧気でも予感していた。 神聖な緊張感。 一呼吸しなければ頁…