たたき鰺甘し相模の秋霞　 中拓夫 　安房へ行き相模へ帰り小夜千鳥 　正岡子規 　伊豆相模わかつ岬に笹鳴ける　 有働 亨 　雲払ふさねさし相模山眠り　 高良満智子 　音なしの幾夜の冬の相模灘　 原石鼎 花影以後 　夏網の相模の海の鱸かな　 鈴木花蓑 　眼の下に相模灘あり花みかん　 田中冬二 　枯野より高く入日の相模湾 　阿部藍子 　かつて鯨捕獲の相模湾　アロマ 　秋涼や墨絵とな…

　たたき鰺甘し相模の秋霞 　中拓夫 　ほして売る鯵に鰈に春の風 　岡本綺堂 　やりくりの思案の鰺をたたくかな 　鈴木真砂女 夕螢 　夕暮は鯛に勝たる小鰺かな　 蓼太 　上手下手なく波止先の鰺釣れる　 小林沙丘子 　庭の紫蘇摘み来て鯵のたたきかな 　高澤良一 　手に出でし女の齢小鰺買ふ 　貞吉直子 　 旅一つのがせし鰺を叩きけり 　鈴木真砂女 　木の葉鰺干して秋立つ廂かな　 吉川…