まだ暮れぬ虹に閉店のばしけり 毛塚静枝 たてこむ街を丸洗ひして虹が出た 磯貝碧蹄館 握手 ふところに夏季手当虹二重なす 皆川白陀 をさなごのひとさしゆびにかかる虹 草城 インカの子虹に向つて石を打つ 高野素十 昔より緩やかな弧の虹立って アロマ 人をらぬ噴水ひたにゑがく虹 木下夕爾 今立ちしばかりの虹に春田打つ 細見綾子 黄 瀬 古代遺跡の虹のむ…
南半球泉に映る星の房 橋本美代 橡の実の打ちて泉の面ゆがむ 前田鶴子 泉に映る水仙その神話 アロマ 日矢とどく聖泉春を奏でをり 秋月すが子 日矢の中泉にひたす櫛ちさき 鷲谷七菜子 黄 炎 肌沈め野分の泉底明るむ 筒井節子 不意に合ふ泉の脈とわが脈と 中嶋秀子 砲音の響く村なり泉湧く 上西啓三 百日紅の午後盛り上る泉の芯 田川飛旅子 花文字 …