ヘリの音重しと凹む春の水 清水ミツコ 春の雲はつきり映し春の水 松岡路石 春の水柔らか流れ清らかに アロマ 湧くところすこしくぼみて春の水 鷹羽狩行 堰越ゆるときを懸命春の水 安武農子 洛北に春の水汲む詩仙堂 林日圓 春の水送り来る懸樋かな 安江笥子 たうたうと瀬田川流る春の水 藤原浩 行く春の水門に灯の入りけり 小…
かなり以前 子供たちと九月に京都に旅行した 子供たちとの京都は二度目で 以前は春だった 二度目は秋のお彼岸の頃だったが 暑さと 湿度の高さに辟易した 詩仙堂や二条城 広隆寺の弥勒菩薩などを見て回る トロッコ列車で亀岡まで行き 直ぐ折り返す トロッコ亀岡駅の 真新しい木造待合室の小部屋で少し休んだ 新しい木の匂いが心地よく 冷房がよく効いていたのを思い出す 途中…
ふっと思う 暑い季節 京都の植物園の傍を通りかかる 夏ではなく九月下旬 それでも非常に暑く あの年は異常気象だった 湿度が高く蒸し暑さに悩まされた トロッコ列車に乗り亀岡の駅ホームの 小さな待合室で涼むとすぐ 折り返す列車に乗って引き返す 嵐山駅で下車し そこから渡月橋に向かう 嵐山を下りつつ振り向くと 昔ながらの矩形の畑地が懐かしく思えた 土産物屋の…
熟柿柔らか美味し啜り込む アロマ 日もさして雨の小村の熟柿哉 熟柿 正岡子規 婆々の舌牛にかも似て熟柿かな 河野静雲 閻魔 晩鐘や寺の熟柿の落つる音 熟柿 正岡子規 疲れなどどこにもなくて熟柿吸ふ 和田耕三郎 百ほどの柿の十九は熟れにけり 攝津幸彦 未刊句集 病子規の髭汚しけむ熟柿はや 相生垣瓜人 貧乏は口伝のごとし熟柿吸ふ たむらちせい 不機…