仰ぎみて冬至近づく木の梢 阿部ひろし 沈む日の冬至といへど目を射るも 宮津昭彦 落款や冬至もとよりしづかにて 岡井省二 ヒルトンに身の丈映す冬至かな 城孝子 冬至の日柚子湯南瓜も忘れ果て アロマ 生烏賊のわた抜く手元冬至の日 新井清 汁粉屋に招き猫ゐる冬至かな 平岡かづを ペダル漕ぐ冬至の坂に集ふ風 前川明子 冬至どか雪翌朝刊の総…
冷蔵庫レモンスライス蔵ひ置く 宮津昭彦 レモンにあるあをき横文字浅き春 近藤昌子 レモンの黄に迫る薄暮を春と思ふ 細見綾子 レモンの酸月山は日に耐ゆる山 平畑静塔 レモン握る掌時には開き確信得る 金子兜太 檸檬型淡い黄色が美しい アロマ スライスした檸檬紅茶に浮かべて アロマ レモン一個が干潟に置かれ死の灰ふる 佐藤鬼房 レモン一片グラスに浮きて…
コスモスの佳人の如きたたずまひ 高澤良一 鳩信 しぐるゝや行手に仰ぐ小町寺 比叡 野村泊月 もう少しこころ美人の柚子湯かな 白石菊代 一行の詩は金色に美女柳 都川一止 乙女らの小町顔なる春まつり 村松 堅 里小町鄙ぶりの手も愛らしく アロマ 花李美人の影の青きまで 泉鏡花 延年舞禰宜言ひ寄れば美女躱す 長田白日夢 業平と小町の並ぶ歌がるた 下村…