着水と着地と風の夏柳 飯塚ゑ子 　バスの屋根撫でてをりけり夏柳 　永田万年青 　夏柳青葉枝垂れてモネの池　　アロマ 　築地塀へ影の揺れをり夏柳　 原和三 　さらさらと風やりすごし夏柳 森清信子 　山門に風の道あり夏柳 菅野日出子 　色はまだ水に届かず柳の芽 　山田弘子 　まぶしさは水より風に柳の芽 若山千恵子 　城濠の柳の芽吹き見て歩く…

　松籟と波音寄する句碑うらら 涌羅由美 　こだはりのパン屋へ向かふ朝うらら　 須賀敏子 　春うらら里の随所の石ぼとけ 安部和子 　うららかやローマの古地図拡げをり 　野畑さゆり 　麗らかに衣装紅色カフェテラス　　アロマ 　クルトンの浮かぶポタージュ春うらら 瀬島洒望 　ポケットに昔の切符春うらら 今井弘雄 　うららかにゐてもの忘れせしやうな　 稲…

　シャンソンの似合ふ街角冬帽子 栗山恵子 　薄紅の山茶花日当たり藪の中　　アロマ 　小春日の森林公園十二月　　アロマ 　むべの実に紫のりし十二月 　栗林千津 　どんよりと蜂蜜こごる十二月　 有働亨 汐路 　十二月晴れても寒しネットする　　アロマ 　武蔵野は青空がよし十二月　 細見綾子 　村人等酒に舌焼く十二月 　有馬朗人 知命 　ロゼワイン…