「ある男」の日記一覧

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観た!ある男 ほか

窪田正孝という人の役は、 なぜこうも心に焼き付くのか。 不慮の事故で亡くなった夫(大祐)は、名も違う別人だった、というお話。 安藤サクラ(妻・里枝)も妻夫木聡(大祐の身元を調査する弁護士・城戸)もすごく良くて自然に物語に引き込まれたけど。。 観終わった後、まるで里枝や息子が感じていたような喪失感が、抜けないトゲのように胸に残ってる。 出会った頃の伏し目がちな影のある面持ち、何気ない日常の屈託…

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ある男

 ~~ ストーリー ~~ 弁護士の城戸は、かつての依頼者である里枝から 奇妙な相談を受ける。里枝の亡くなった夫「大祐」 の身元調査を頼みたいと言うのだ。 里枝は離婚を経験後、子供を連れて故郷に戻り、 やがて出会う「大祐」と再婚。 新たに生まれた子供と4人で幸せな家庭を 築いていたが、ある日突然夫が不慮の事故で 命を落としてしまう。 悲しみに暮れる中、大祐の法要の日、 …

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【映画】ある男

【映画】ある男  重く静かな映画。  平野啓一郎さんの小説は、まだ読んだ事がない。  数年前に、同じく平野啓一郎さん原作の「マチネの終わりに」という映画を観た事があるだけだ。  映画はミステリーのようにストーリーを展開していくが、謎解きを描こうとした物語ではないのだろう。  ある地方都市で、小さな家庭を築いていた一人の男が事故死する。  男の死後、それまで男が語っ…

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映画『ある男』窪田正孝 妻夫木聡の静謐 安藤サクラ

2022年11月18日封切り 監督 石川慶  他作品2016『愚行録』 原作 平野啓一郎 深い問題を投げ掛ける映画だった。 事故で死んだ夫(窪田正孝)は、他人になりすましていた。墓をたてるため妻に依頼された弁護士が、その素性を突き止める物語である。 つまり、墓は「◯◯家」と彫らねばならないことが、捜索の動機である。欺かれたことによるどろどろした恨みは毛頭なく、妻は途方にくれ、むしろ淡々とし…

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「悲惨で不幸で理不尽な話」:『ある男』

読み終わった、平野啓一郎の『ある男』(文春文庫)。よかった、最後が明るく、いや、少しでも希望が見えて。 手軽に読める新書を立て続けに読んだ後、何かもやもやしたものが残った。誰だって「その日」までは寝たきりにならず、ボケもせず元気でいたい。だが、元気で長生きして、だから何なのだ、というか元気でいるための方法だけを知っても、それだけではダメなのだ。 たまたま駅ナカの本屋で「贅沢買い」した一冊だが…

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戸籍交換の果てに

 平野啓一郎の「ある男」を読了した。著者は芥川賞作家であり、美術、音楽にも造詣が深く、批評家としても活躍している。本書は、事故死した再婚の夫が、戸籍とは全くの別人であったという衝撃的な事件を描いたミステリー仕立ての物語である。なお、物語は主として、弁護士の城戸章良の視点で展開して行く。  谷口里枝は宮崎県出身であるが、大学進学を切っ掛けに神奈川県で暮らし始め、25歳の時に結婚している。里恵はその…