能を見始めてまだ12年しか経っていませんが、時にこの能の曲をもう1回見ることが出来るだろうかという機会に当たることがあります。 能をある程度知っておられる方なら「披く」という単語が用いられる場合は、その能の曲を初めて上演する、舞うという意味になります。 能楽師にとっては、一つの重要な通過点として「道成寺」を披いたことがあるか否かで若者か成人かのような比較となります。特に女性能楽師の場合で…
どこまでも続く秋の田伊予路なる 川口咲子 秋の田の大和を雷の鳴りわたる 下村塊太 秋の田に大きく燃えて日落ちけり 行方寅次郎 宍道湖の波かよへる稲田かな 大場白水郎 雁渡る月の稲田の眩しさを 中村汀女 稔田へ風やはらかし素十の忌 竪 ヤヱ子 稔り田の夕映えに母薄められ 佐藤鬼房 稔り田は三原色の黄色なり 山口誓子 稔り田の中に鉄筋小学校 津…
菊の香にあるだけの椅子並べ置く 田島星景子 菊の香にある吉凶の記憶かな 右城暮石 散歩圏 菊の香にうもれて瞼伏せにけり 松村蒼石 寒鶯抄 菊の香にえびは一、二度反りあがる 松本恭子 二つのレモン 以後 菊の香にくもりくも九日かな 除風 菊の香にくらがり登る節句かな 松尾芭蕉 菊の香にこゝろかよわくひとを呼ぶ 中尾白雨 中尾白雨句集 菊の香にさすが山路の…