夕方また暑くなり　タンクトップに着替える 　　ほぼ真夏の恰好 　海鳴りや封印を解く今年酒 　山田禮子 　古稀といふ教へ子と酌む今年酒 松木実 　 　灯の海を窓に切り取り今年酒 藤原はる美 　国産のワイン新酒に舌鼓　　アロマ 　酒肴はイカの塩辛明太子　　アロマ 　今年酒つくば山水透きとほり 佐々木幸 　今年酒使ひこまれし有田焼 　酒井美…

　時化あとの新たなる花紅芙蓉　 及川貞 夕焼 　時化過ぎぬ玉蜀黍もさも疲れ 　富安風生 　時化あとのなまこ拾ひに僧も居て　 高橋松舎 　時化あとの海境しるく若布寄す　 大屋達治 　時化あとの弱き西日に麦を刈る　 伊丹三樹彦 　たらの花ひろげ曇天つつましく　 伊藤凍魚 　菜の花の黄が曇天を押し返す 　望月末夫 　渦潮の曇天にして青奈落 　上野さち子 　曇天の空に空気の鎮まって…