画廊出て人間赤し藪柑子　 伊東達夫 　駅の噴水ひねもす人間模様かな 　渡辺恭子 　燕来ぬ人間の影濃くすべく 加倉井秋を 　午後の窓 　宵闇の人間住める虚貝 　各務耐子 　水に棲む人間がいるドアーまたドアー　 星野一郎 　征ったきりの人間魚雷夏の海　 塩野入月遊 　人間天皇空に凧が上っています 　内田南草 　苔の花人間ひとり生きんとす 　高屋窓秋 　世の習い人間溢れ術なくて　…

　　夕食は　塩鯖をフライパンで焼く　 　　焼き海苔　たこ焼き 　山肌を流る雲影野路の秋 　増山至風 　雌岳いま雄岳がくれに野路の秋 　山田弘子 こぶし坂 　忽然と阿蘇夕焼けし枯野道 　穐好樹莵男 　草もやす白き匂ひや野路の秋　 向井治郎 　別れ来て揺るる心や花野道 　小池さち子 　鈴ふれば川が現れ花野道 　手塚 美佐 　野路菫紫ゆかし夕影に　　アロマ 　いく度も月の出直す…

　かまくらの肩まろやかに雪積る 　館岡沙緻 　よき眠りなりし雪積む二重窓 　有働亨 汐路 　雪積もる外に出ずして幾日も　　アロマ 　奥山に雪積るらし白湯うまし 　村越化石 　鎌倉に春の雪積む一夜かな 　松本たかし 　湖に向く雪積むポーチ閉ざしあり 　高木晴子 花 季 　初手水邸内は雪積んで靄 　京極杞陽 　雪詠みて雪積む句碑でありにけり 　藤浦昭代 　雪積まぬひと処あり藪柑子 　…

　鳥声や出窓みづから雪明り 　石川桂郎 四温 　鳥落ちず深雪がかくす飛騨の国　 前田普羅 　烏丸の路地の奥まで雪あかり　 橋本榮治 麦生 　飛雪くる海の先端海に橋 　対馬康子 吾亦紅 　飛騨人や深雪の上を道案内 　前田普羅 飛騨紬 　蔵王の宿に雪見の半露天　　アロマ 　飛び来ては白馬の暮雪顔へ憑く 　野澤節子 遠い橋 　雪の声珈琲は重厚紅茶は軽快 　日野草城 　障子の灯りに向こう…