どの書籍で読んだか失念してしまったが、 よく思い起こすお話。 お寺で修行を積んでいる在家の男性。 ある日、和尚のところへやって来たかと思うと、 自慢気にとうとうと述べた。 「ようやく、自分は怒りの感情を克服できました！」 聴いていた和尚は、フンという態度で 横向いたまま、まともに応えもしなかった。 話をまともに聞いてくれない和尚に向かって、 男は再度、 「怒りを克…

ふつうの世間的な考え方からすると、宗教者の考えは、まことに逆説的に聞こえる。 あるとき、おのれのバカさ加減に気がつき、煩悩にまみれている情けない自分の姿を見るとき、こんな心の声がする。 Aくんの場合 　いけない、いけない。まだ人間ができていない。 　だめな自分だな。恥ずかしいことだ。 　人格を高めるためには、まだまだ努力がたりない。 　元気を出して、修正して頑張っていこう。 Bくんの場合 　…

あなたはどのような心境で生きていますか。 どのような心理状態なのですか。 あるいはどのような信仰を持っているのですか。 このような質問をときどき受ける。 ボクはだいたい質問に答えないか、 質問をはぐらかしてごまかすことにしている。 そもそも人に教えるほどの境地など持っていない。 まじめに答えたところで、それを汲み取ってもらえるとは 期待できないからだ。それに、汲み取ってくれるほどの方ならば、…