「お家で映画シリーズ」の日記一覧

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家で観る映画、例えば「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」・・・時代考証の正確さ

◎「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」 2019年 片淵須直 日本映画 東京テアトル 2019.12.20公開 大ヒット作「この世界の片隅に」の続編。 と思いましたが、一部前作と重なるところはあるにせよ、新しい挿話が多く、それがまたまたよく仕上がっており、新たな感動を呼ぶ作品でした。 続編ではなく姉妹編と言った方がいいかもしれません・ 不勉強でしたが、この作品には「原作漫画」があったん…

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家で観る映画、例えば「下妻物語」・・・ミスマッチを誇張し世相を笑い飛ばした佳作喜劇

◎「下妻物語」 2004年 中島哲也 日本映画 東宝 2004.5.29公開 深田恭子と土屋アンナのダブル主演で話題を呼んだ作品。 日本公開と同時期に、カンヌ国際映画祭に併設されたフィルム・マーケットで、『Kamikaze Girls』(神風ガールズ)と題して上映され評判になり、7か国で上映が決定し公開された作品です。 特にフランスでは、邦画としては過去最大となる約100館で上映されたとのこ…

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家で観る映画、例えば「検察側の罪人」・・・エリートの葛藤

◎「検察側の罪人」 2018年 原田眞人 日本映画 東宝 2018.8.24公開 雫井脩介のベストセラー小説の映画化です。 単なる謎解きに終わらず、現行の司法制度の問題点を描いた骨太作品とも言える。 本作品の重要テーマは時効成立後の殺人事件をどうとらえるかという点。 ところで、2010年に殺人事件の公訴時効は廃止されております。 上限量刑が「死刑」である「殺人事件」には時効が無いという法律解…

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家で観る映画、例えば「ミッドサマー」・・・太陽が降り注ぐ下での異次元体験

◎「ミッドサマー」Midsommar アリ・アスター 2019年 アメリカ映画 ファントム・フィルム 2020.2.21公開 「異色ホラー」との宣伝文句だが、確かにホラーのジャンルだろうと思います。 ただし、定番である「夜の場面」で恐怖感をあおるのではなく、クライマックスも含め、「恐怖」はMidsommar(夏至)の真昼間、太陽の下で繰り広げられる。 変に明るさを持った、恐ろしさ満載のファン…

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家で観る映画、例えば「サンセット」・・・謎、謎、謎の連続の作品

◎「サンセット」Napszallta 2018年 メネシュ・ラースロー ハンガリー・フランス合作 ファインフィルムズ 2019.3.15公開 センセーショナル・デビューを飾ったハンガリーの新鋭監督メネシュ・ラースローの長編第2作。 デビュー作「サウルの息子」(2015)はカンヌ国際映画祭グランプリのほか、アカデミー賞やゴールデングローブ賞の外国語映画賞も受賞しました。 アウシュビッツ=ビル…

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家で観る映画、例えば「響 HIBIKI」・・・常識への痛快な反逆

明けましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いします。 年初めの映画の話題は、マイナーですが非常に「爽快感溢れる」作品の感想とします。 ◎「響 HIBIKI」 2018年 月川翔 日本映画 東宝 2018.9.14公開 原作は、小学館の「ビッグコミックスペリオール」に2014年~19年にかけて連載された柳本光春の漫画「響~小説家になる方法~」。 2017年にマンガ大賞を受賞し、累計…

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家で観る映画、例えば「ハード・コア」・・・奇書をベースにしたB級映画の傑作

◎「ハード・コア」 2018年 山下敦弘 日本映画 KADOKAWA 2018.11.23公開 B級映画の傑作というか「怪作」で、原作はあるコミック雑誌に連載されていた漫画のようです。 秋田書店から発行されていた1992年創刊の「グランドチャンピオン」という隔週発行の青年漫画雑誌があり、そこで連載されていたらしい。 作品名は、原作が狩撫麻礼、作画はいましろたかしの「ハード・コア 平成地獄ブラ…

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家で観る映画、例えば「冬時間のパリ」・・・芸達者俳優陣による「洒脱な会話劇」ということになっているが

◎「冬時間のパリ」Doubles vies 2018年 オリビエ・アサイヤス フランス映画 トランスフォーマー 2019.12.20公開 結論から言うと二組の夫婦の不倫物語。 片方が雑誌編集者・アラン(ギョーム・カネ)と女優・セレナ(ジュリエット・ピノシュ)のカップル。 もう片方が作家・レオナール(バンサン・マケーニュ)と政治家の秘書・ヴァレリー(ノム・ハムザウィ)のカップル。 映画の内容…

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家で観る映画、例えば「火花」・・・関西人の土性骨

◎「火花」 2017年 板尾創路 日本映画 東宝 2017.11.13公開 本年7月公開の行定勲監督作品の「劇場」が話題を呼んでいるらしい(残念ながら未見)です。 「劇場」の原作は芥川賞作家、又吉直樹の二作目の小説。 さて、又吉が処女作にして芥川賞に輝いたのが本作品の「火花」です。 「鬼才」板尾創路がメガホンを握り映画化しました。 板尾の映画監督としての才能は非凡なところがあると思います…

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家で観る映画、例えば「新喜劇王」・・・抱腹絶倒の後の感動

◎「新喜劇王」新喜劇之王 The New King of Comedy 2019年 チャウ・シンチー 香港・中国合作 ツイン 2020.4.10公開 意外な感動作品でした。 チャウ・シンチー(周星馳)の新作。 彼が1999年に主演、監督、脚本を手がけたヒット作「喜劇王」を、女性を主人公に据えて復活させたコメディです。 チャウは香港生まれの俳優、その後監督に転身し、「少林サッカー」(2001…

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家で観る映画、例えば「スキャンダル」・・・大統領選真っ最中にこんな映画が上映されるお国柄

◎「スキャンダル」Bombshell 2019年 ジェイ・ローチ カナダ・アメリカ合作 ギャガ 2020.2.21公開 本作品は実話です。 2016年に、全米トップ視聴率のニュース専門局「FOXニュース」のCEO、ロジャー・エイルズがセクハラで元社員から告発される事件が勃発。 その顛末は詳しく報道されていますから、内容に詳しい人は結果を知っております。 ですから物語というより、俳優を配した…

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家で観る映画、例えば「1917 命をかけた伝令」・・・切れ目が全くない映像

◎「1917 命をかけた伝令」1917 2019年 サム・メンデス イギリス・アメリカ合作 東宝東和 2020.2.14公開 サム・メンデスという監督は007シリーズの「スカイフォール」「スペクター」で世界的なヒットを飛ばしています。 それ以前に「アメリカン・ビューティー」(1999)でアカデミー賞監督賞を受賞している。 元々は舞台の演出家だったそうですね。 本作もアカデミー賞有力作品とい…

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家で観る映画、例えば「最初の晩餐」・・・父の秘密

◎「最初の晩餐」 2018年 常盤司郎 日本映画 KADOKAWA 2019.11.1公開 「家族」というユニットの「再認識」というのは、関係者のだれかが死亡しないとできないものなのでしょうか。 葬儀を通して、故人の秘密を追っていくという作品はいくつかあります。 本作は題名が暗示するように、「食」や「料理」を切り口とし、今は亡き「父」の実像を追い、ひいては残された家族の在り方を問いかける作品…

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家で観る映画、例えば「ある船頭の話」・・・主人公の「視点」と内面

◎「ある船頭の話」 2019年 オダギリジョー 日本映画 キノフィルムズ 2019.9.13公開 俳優オダギリジョーの長編映画初監督作品。 原案は10年前に監督自身が構想したもののようです。 その時は自分が主演しようと考えていたらしいが、<名優>柄本明に船頭役を託したらしい。 ストーリーは表現するのが難しいですね。 山間の川辺の小屋に一人で暮らすトイチ(柄本明)。 彼は村と町をつなぐ渡し…

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家で観る映画、例えば「北の果ての小さな村で」・・・自然の猛威と美しさ

◎「北の果ての小さな村で」Une annee polaire 2018年 サミュエル・コラルデ フランス映画 ザジフィルムズ 2019.7.27公開 壮絶なまでの美しい自然(グリーンランド)が満喫できる作品。 オーロラも出てくる、サービス満点の観光?案内的映画とも言えます。 ネットによれば・・・ <北極圏に位置する島国グリーンランドを舞台に、人口80人の村の小学校に赴任したデンマーク人教…

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家で観る映画、例えば「永遠の門 ゴッホの見た未来」・・・ゴッホの視覚を再現

◎「永遠の門 ゴッホの見た未来」At Eternity's Gate 2018年 ジュリアン・シュナーベル イギリス・フランス・アメリカ合作 ギャガ、松竹 2019.11.8公開 ゴッホという画家は映画監督の琴線に触れるところがあるのでしょうか、かなりの作品があります。 本作の監督ジュリアン・シュナーベルは画家でもあるそうで、その視点で捕えたゴッホという「芸術家」の作品です。 天才なのか精神…

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家で観る映画、例えば「ラストレター」・・・繊細なラヴストーリー

◎「ラストレター」 2020年 岩井俊二 日本映画 東宝 2020.1.17公開 岩井俊二監督はラヴストーリーの名手ですね。 「Love Letter」(1995)という佳作がありました。 豊川悦司と中山美穂の出演で、単なるアイドル歌手との位置づけだった中山美穂を、一気に映画スターの座に駆け登らせた作品でした。 25歳にして国内映画祭を総なめにした彼女も今は50歳、なんと本作にその年齢にあ…

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家で観る映画、例えば「ボーダー 二つの世界」・・・主人公自体がミステリ

◎「ボーダー 二つの世界」Grans 2018年 アリ・アッバシ スウェーデン・デンマーク合作 キノフィルムズ 2019.10.11公開 北欧版SF、ないしはミステリとあるが? 不思議な映画でした。 監督のアリ・アッバシはイラン系デンマーク人。 原作はヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストという人で「ぼくのエリ 200歳の少女」(2010)という映画の原作者。 残念ながらこの作品は未見です。 …

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家で観る映画、例えば「世界の果ての鼓動」・・・ヴィム・ベンダースの成熟した映像

◎「世界の果ての鼓動」Submergence 2017年 ヴィム・ヴェンダース ドイツ・フランス・スペイン・アメリカ合作 キノフィルムズ 2019.8.2公開 美男美女俳優を配し、美しい風景をふんだんに散りばめた、ヴィム・ヴェンダースのラブストーリー。 彼の代表作は「パリ、テキサス」(1984)、「ベルリン・天使の詩」(1987)。 物語は細かい時間が前後行き来するが、概ねこういう展開。…

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家で観る映画、例えば「男はつらいよ お帰り 寅さん」・・・50年の歳月

◎「男はつらいよ お帰り 寅さん」 2019年 山田洋次 日本映画 松竹 2019.12.27公開 こういう作品を「レジェンド」と言うんでしょうね。 本作が「男はつらいよ」シリーズと位置付けるならば50作目で、第一作からは50年経過しています。 「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇」以来22年ぶりの完全新作。 渥美清も鬼籍に入っており没後23年となる。 まだロシアがソ連と言って…