「詩人クラブ深澤茂樹」の日記一覧

会員以外にも公開

幻の詩人・村次郎「風の歌』1の世界

幻の詩人・村次郎詩集『風の歌』より 序章 風よ おまへは 確に人間だけを吹いてゐる時がある 1 待ってゐた 禪古花(かっこばな)だった 待っていた 閑古鳥だった 西日に顔を赫らめた風(おまへ)だった 2 願ってゐた 移動を 測ってゐた 距離を 装ふた落着が 僕が 夏夜のやうに 草露のやうに ああ それらの間を 二つの隙を 不意によぎるもの 觸れ さだかならぬもの おまへ …

会員以外にも公開

幻の詩人・村次郎「風の歌』1の世界

幻の詩人・村次郎詩集『風の歌』より 序章 風よ おまへは 確に人間だけを吹いてゐる時がある 1 待ってゐた 禪古花(かっこばな)だった 待っていた 閑古鳥だった 西日に顔を赫らめた風(おまへ)だった 2 願ってゐた 移動を 測ってゐた 距離を 装ふた落着が 僕が 夏夜のやうに 草露のやうに ああ それらの間を 二つの隙を 不意によぎるもの 觸れ さだかならぬもの おまへ …