体験型ミステリー
道尾秀介の「いけないⅡ」を読了した。著者はミステリー出身の直木賞作家であり、直木賞受賞前後から「脱ミステリー」を目指していると言われていたが、最近はミステリーに回帰している様である。本書は三年前に刊行された「いけない」同様、体験型ミステリーの連作短編集であるが、ストーリー的には前作との繋がりは存在しない。 第一章「明神の滝に祈ってはいけない」:本章は二人の視点人物の観点で描かれている。冬牡…
道尾秀介の「いけないⅡ」を読了した。著者はミステリー出身の直木賞作家であり、直木賞受賞前後から「脱ミステリー」を目指していると言われていたが、最近はミステリーに回帰している様である。本書は三年前に刊行された「いけない」同様、体験型ミステリーの連作短編集であるが、ストーリー的には前作との繋がりは存在しない。 第一章「明神の滝に祈ってはいけない」:本章は二人の視点人物の観点で描かれている。冬牡…
ペリカンが水噛みこぼす溽暑かな 天高しブックカーバーは紀伊國屋 ゆるやかに簾を通す寺の風 山の辺の夕日ぬるき虫送り 焦げ臭くきまで麦秋村晴るる
道尾秀介の「いけない」を読了した。著者はミステリー出身の直木賞作家であり、直木賞受賞前後から「脱ミステリー」を目指していると言われていたが、最近はミステリーに回帰している様である。本書は、架空の町である蝦蟇倉市で起こった、複数の謎の殺人事件を描いた連作ミステリーである。 「弓投げの崖を見てはいけない」:蝦蟇倉市とその北にある白沢市を結ぶ白蝦蟇シーラインを南下する時、左手に現れる自殺の名所の弓…