夢の畔 銀の光の降る夜は 君を誘いに行きましょう 桜紅葉の木の下を 二人黙って歩きましょう 月のかけらのきらめいた 濃墨(こずみ)の川がありまして 白い小船を見つけたら 君と二人で乗りましょう ことんことんと揺らめいて 光の中に届いたら 遠くの子供に分かるよに 二人の星座を創ろうか 綺麗な星を見つけては 君の名前をつけようか 霧の帳に包まれた 秘密の時の逝か…
私は本作を電子書籍で読了したが、紙書籍は絶版になっていた。その復刊プロジェクトが行われ、昨年復刊がされた作品。主人公の架山は7年前に不慮の事故で娘を失った。琵琶湖でボート遊びをしている時に突風で遭難。同乗していたボーイフレンド共々遺体は見つかっていない。架山は自分の娘が「殯(もがり・仮葬状態のこと)」の状態にあると強く認識し、事あるごとに心の中で娘と対話をしていた。最近はようやく娘を失った心の…