【午後二時半　気温２７度とある 　蒸し暑いのが嫌】 　遠郭公人恋ふ心ひとしきり 　　沼田巴字 　郭公のこだまぞ青き比叡越 　　錫木妙子 　郭公の山河は青を深めけり　　 上辻蒼人 　郭公のしきりに鳴くや遊歩道 佐藤まさ子 　蝦夷地にて初めて郭公の声を聞く　　アロマ 　森を揉む風音のなか初郭公 　　武田未有 　郭公や戦場ヶ原分け入れば 　須賀敏子 　郭公や「静かな湖畔」とい…

　親といふものやめたサングラス　　能勢京子 　ノンフレームレンズ黄色いサングラス　　アロマ 　サングラス別の自分をのぞき見る　　高畠陽子 　その昔蜻蛉メガネのサングラス　　アロマ 　サングラスはづして色を確かむる　　江坂衣代 　きびきびとして行動派サングラス　　田中春子 　サングラスしてスイスから妻帰る 丑久保勲 　モスグリーンレンズの色に景色映…

　白鷺の止まればつぼみ飛べば花 　鷹羽狩行 　白鷺の一点となり青田風 　外川玲子 　白鷺舞ふ南湖丸ごと借景に 　松本米子 　白鷺の夕映えの川飛び立ちぬ 　長山野菊 　昏れなづむ田に白鷺の灯るごと　 枡堀里枝 　白鷺の翼広げて飛ぶ姿　アロマ 　白鷺に丈の揃ひし青田かな 　北吉裕子 　舞ひ上がる白鷺吉を運ぶらむ　 亀ヶ谷照子 　白鷺や水面の暮光ゆらぎつつ　 間宮あや…