単行本『近世経済思想史論』（岩波書店、大正９年〔1920〕４月10日。『河上肇全集』第10巻所収）、および月報10に載る舩山信一「河上肇と日本近代哲学」、和田洋一「河上の変成〔メタモルフォーゼ〕の時期」、小柳津恒「河上会結成事情及びその後の活動（続）」を読む。〔『近世経済思想史論』を読む前に、N. フィリップソン『アダム・スミスとその時代』を読んでおく。〕 　　　　　＊　　　　　＊　　　　　＊…

　2022年（令和４）最初の読了本が河上肇『貧乏物語』です。本年もよろしくお願い申し上げます。 　単行本『貧乏物語』（弘文堂書房、大正６年〔1917〕３月１日。『河上肇全集』第９巻所収）、および月報４に載る長幸男「旅路をさかのぼる」、杉原四郎「『如何に生活すべき乎』」、目加田誠「一度会った河上博士」、〈資料紹介〉公憤（『大阪朝日新聞』投稿）を読む。 　　　　　＊　　　　　＊　　　　　＊ ▶︎河上…

　単行本『祖国を顧みて』（『河上肇全集』第８巻所収、pp.1-158）、また月報11所収の大島清「“十年練磨の一精神” 河上の遊学」、清水靖久「河上肇の愛国心」、大門一樹「「価値人類犠牲説」の論争」、《資料紹介》額田豊「人体の所要熱量の問題」、を読む。 ▶︎『祖国を顧みて』（実業之日本社、大正４年12月5日） 　筆者＝彼（河上肇）が、滞在欧州見聞記、「父母への消息」に代えた紙誌寄稿文と序に言うp…

　『論説』の数編と月報14の３編（十川信介「パリの藤村と河上肇」、早坂忠「‘Utility’ の訳語をめぐる河上・福田論争に寄せて（一）」、奈良本辰也「晩年の河上肇先生」）を読む。（所収『経済原論』に怖気付いてしまい、読む意気阻喪。） ◉論説より ▶︎「生活難の根本的救済」（『実業之世界』1912年10月１日）pp.186-189。 　世を救うのは「空論」であり、それを成す論だと言う。天才と凡才…

　河上肇全集第６巻所収の単行本は『経済と人生』（実業之日本社、明治44年12月11日）、『経済学研究』（博文館、大正１年12月13日）、『輓近物価騰貴之一研究　金ト信用ト信用ト物価』（京都法学会、大正２年11月25日）を収めている。そのうち、『経済と人生』は解説の杉原四郎氏が「河上の最初のエッセー集」で先に読んだ『時勢之変』の下巻に当たるp.497、とする本で、今回は本書と、月報９収載の高良倉吉…

　全集第５巻所収単行本は『人類原始ノ生活』（1909年）、『時勢之変』（1911年）、河上肇の文化人類学的素養を知っておくためには前者を読むべきかもしれないが、今回は『時勢之変』、および月報17所載の玉野井芳郎「沖縄と河上肇」、作田啓一「河上肇の宗教的体験」、荻野富士夫「官憲抑圧下における河上肇（下）」を読む。 ▶︎『時勢之変』（明治44年３月28日、読売新聞社）全集pp.93-174。旧著『…

　月報１は、吉田久一「伊藤証信氏と河上肇」、河上荘吾「河上肇の周辺」、帆足図南次「失われた一通の書簡」、《資料紹介》山本勇夫「人としての河上肇氏」が収載されている。（月報１の寸感は後に記す） 　さて、『社会主義評論』（署名：千山万水楼主人、読売新聞社、明治39年１月30日）『河上肇全集』第３巻、pp.1-89。なぜ名を匿したか。「自分が執筆者であるといふ事が世間に知れては困るといふ事でした」、…

　『河上肇全集』を読み始めることにした。第Ⅰ期全28巻（但し第21巻・第23巻欠）、第Ⅱ期全８巻。各巻少なくとも関心のある１編以上の本論を読むこと、また添付の「月報」諸論は完読することとする。ボチボチやってみますゎ。嘗三十路入口の我や何処。全集本紙が酸化・変色しつつあり、ボロボロになる前に読まなくちゃ。 　本巻（１〜31頁）掲載の『経済学上之根本観念』初版扉の影印には「大学院学生　河上肇稿」と…