草の果て日の果て真冬来つつあり 廣瀬直人 帰路 北の町はや真冬日の昼灯 田中實子 未知の書は真冬焼けゆく川の色 飯田龍太 真冬日をバスは二時間来ぬつもり 櫂未知子 貴族 魂痩せて真冬の夢を見つづけし 三橋鷹女 真冬日や絵馬の蹄のよく描けて 佐藤鬼房 真冬日のバス停寒さ一入に アロマ 海鼠干す真冬は氷る島の前 友岡子郷 風日 角砂糖しみじみ溶けて…
モーツァルト通りハイドン通り囀れる 佐藤ゆき子 とめどなき雨の中より囀れる 依光陽子 なつかしき日本語めきて囀れる 山中俚汀 冬雲雀そのさへづりのみぢかさよ 橋本多佳子 凡雀の囀りなれどたのしめり 日野草城 春雨に鶯鳴いて朝な夕 アロマ 六合村の谿のひろらを囀れり 松崎鉄之介 囀に浮きし清水舞台かな 海老根紫西 囀の一羽なれどもよくひびき 深…