見納めのお多福桜枝低き 石川かおり 桜前線の一寸一服風ひと日 横田矩子 なぞり読む八一の歌碑やさくら散る 谷村祐治 人形の肌のつめたき夜のさくら 細川洋子 桜狩野山歩いて深呼吸 アロマ 空港に旅のあふれて暮の春 塙告冬 松籟に混じる波音春時雨 阿部月山子 春時雨エーゲの海もけぶるなり 夏目満子 まどろみてゐし間車窓は春時雨 …
温泉を出でてけふの勤へ朝ざくら 木村蕪城 寒泉 眠りから出てゆく女朝桜 高澤晶子 純愛 朝桜 昨日の夢を忘れいし アロマ 空に浸る月の円形朝桜 香西照雄 対話 糊強きナプキンの角朝ざくら 冨田みのる 話したし聞いて置きたし朝桜 高木晴子 花 季 からつぽになりたる家の夕桜 仙田洋子 雲は王冠 夕桜仄か茜に馴染みつつ アロマ 夕桜煮込みおでんに…