師走曇りに柿の木の小さくなる 松村蒼石 雪 柿の村日当りのよき家ばかり 辻田克巳 柿色の陶器を愛でて日が暮れる アロマ 柿ひとつ落ちたる音の石舞台 吉田とし子 柿もぎの余所目に青き蜜柑かな 会津八一 山国に火色の赤き富有柿 森澄雄 山寺や猿が柿折る音すなり 中勘助 柿を剥く山道たどるごとく剥く きくちつねこ …
河骨を讃めてや午の奈良茶粥 岡井省二 花のころ奈良ざらし売る家もあり 素堂 花びらの空くれなゐに仏たち(奈良三句) 原裕 『葦牙』 花馬酔木小暗き奈良の骨董屋 鎌田和子 荷口とく奈良の団扇やほとゝぎす 木導 過去は今満ち来芝生に秋日透き(奈良にて二句) 細見綾子 蚊さされに草汁つけて老いんとす(奈良、右城暮石氏居) 細見綾子 我奈良の茶はこの里ぞほと…