軽く炙るたたみ鰯や牡丹雪 　　代田青鳥 　夕虹や卓袱台にのる畳鰯 吉弘恭子 　畳鰯四隅きつちり干し上がる 能勢俊子 　馬刀貝の直立に鳥渡るなり 　　山尾玉藻 　馬刀突きの砂にたちまち春の雪　 山尾玉藻 　馬刀貝の潜む渚の穴二つ 波多野孝枝 　ひと潮に平らとなりし馬刀の穴　 浜口高子 　機音に眠り心地や春障子 江崎成則 　古民家の灯の…

　大根洗ふ御嶽の水ねんごろに 德井節子 　福分けの大根一本頂きぬ 赤松赤彦 　大根をステーキにして令和なり 七郎衛門吉保 　葱焼くや入植時代語りつつ　 渡辺昌子 　並ぶ葱深谷下仁田岩槻と 松崎鉄之介 　下仁田の冬日ゆたかに葱畑 　大内恵 　オリーブ油チャーハンに葱卵の具　　アロマ 　蕎麦掻の喉越し葱の香味かな 塚本みのる 　国産のそれも地…