まちまちの竿の長さや鯊日和 亀田虎童子 　潮境鯊釣り舟の見え隠れ 長尾タイ 　鯊の天麩羅家族で塩振って　　　アロマ 　お摘みに鯊の中骨素揚げにす　　アロマ 　タジン鍋鯊のアヒージョ鮎醤油　　アロマ 　鯊日和串焼く辺り暮れ残る　 長崎桂子 　潮入に町挟まれて鯊日和 森村江風 　上げ潮の香に釣れはじむ今年鯊 皆川盤水 　広重の富士あらはれる鯊…

　足元に風のからまりこぼれ萩 太田寛郎 　萩の風五百羅漢へ磴二百 大塚鈴子 　茶だんごの暖簾にわたる萩の風 山田由利枝 　白萩の花や繭蔵レストラン　 山口富子 　偕楽園萩を飛び交うオニヤンマ　　アロマ 　白萩に風の豊けき招提寺 仲尾弥栄子 　瑠璃光寺みつみつと萩枝垂れをり　 笠井育子 　萩の風頬に優しき夕べかな　 井出清峯 　黄萩咲き高尾は七月の半ばなり 阿部ひろし 　もつ…

　鬼の子が自転車でくる春の宵 　火箱ひろ 　鬼の子の遊び足らざる夕日かな　 能勢俊子 　鬼の子に吹きつさらしの宵の来る 　荒井一代 　鬼の子を弾けば傾ぐ峠道 　上原重一 　鬼の子の睡りにつきし桜の木　 雨村敏子 　鬼の子の授業を覗き込むごとく　 木下仁司 　蓑虫の空真つ青に研ぎ上がる 　土田祈久男 　八重桜蓑虫木の枝に揺れ　　アロマ 　日溜りに蓑虫ゆれる荒沢寺…

　寒鯊を山茶花よりも高く干す　 木村蕪城 寒泉 　 寝るだけの畳を拭くや鯊日和　 春日一枝 　 小名木川冬の鯊釣ゐたりけり　 鈴木しげを 　少女持つ魚籠の新らし鯊の秋　 沖山政子 　 少年の電球をかへをる鯊の秋 　大木あまり 火球 　 岸壁に沙魚釣る阿呆講和の日 　長谷川かな女 牡 丹 　島住みになれて鯊釣たのしめり 　芹沢江村 　庫裏の戸に鮨桶干して鯊の秋 　石川桂郎 高蘆…

＊等間隔釣り人の竿はぜ日和