湯豆腐の薬味それぞれ好みあり　 及川あつ子 　花の冷え南禅寺みて湯豆腐食ぶ　 磯野たか 　星が渦巻き湯豆腐のぐらぐらと　 高橋将夫 　山頭火の句碑見て朝の湯豆腐食ふ 松崎鉄之介 　あとひとり待つ湯豆腐の煮えてきし 釜井瞳子 　京の寺母と湯豆腐食べしこと　　アロマ 　湯豆腐や京の夕闇深くせり 　加藤京子 　湯豆腐に大吟醸を少しづつ 　布川直幸 …

　この池の浮葉の数や冬に入る 　高野素十 　この湖の蜆美し今朝の冬 　村山故郷 　冬に入る寒さ厳しい時間近　　アロマ 　かはり来し雀の声や今朝の冬　 原石鼎 　冬に入る平等院の水の皺 　　原コウ子 　個室のやうな明るさの冬来る　 廣瀬直人 　電線の花とも今朝の冬鴎 　　石塚友二 　冬来るオーバーコート臙脂色　　アロマ 　七味ふり卒然と冬来…