さんが書いた連載それぞれの家族の記憶の日記一覧

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夫婦ゲンカは犬も喰わない、子供も喰わない

連休は遠出をしなかった。 ギックリ腰がむずむずするので、大事をとって家でじっとしていた。 老人ホームに母を訪ねたくらいで、あとは家でゴロゴロ。気が向くとシーツを洗ったり、庭の草むしりをしたり。 ヒマなので新潟関連のSNSを眺めていたら、水を張った水田のまんなかを、三両編成の汽車が走る動画がアップされていた。 https://twitter.com/tamap55/status/178597…

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泉屋のクッキー

昭和の初めのころ、母方のじいちゃんは下高井戸でラジオ屋をやっていた。 手先の器用な人で、かつ流行の最先端の商売だったので、いちじは羽振りが良かったらしい。 だがしかし、その日の売上をポッケに入れて毎晩飲みに行ったので、店はうまくいかず、戦後いくつか商売替えをしたけど、どれもパッとしなかった。 ばあちゃんは早くに亡くなり、じいちゃんもワシが小学生になったころには引退していた。 引退したじいちゃ…

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春の遠足

マグロ家の春休みは「5人全員、家にいる」。 パパはそもそも在宅勤務だし、ママは主婦。 長男リュウ(小4)、次男リョウ(小1)はともに春休み、末っ子リナは幼稚園入園前。 つまりは狭い家で5人がギュウギュウおしくらまんじゅうしてるそうな。 まぁそれも悪くはないけどね。 ママがゆう。 「一日くらいどこかに行こうかなー」 おお、だったら付き合うぜ、なにしろヒマだ!! …

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遠く離れた孫とひ孫に会いに行く

春になり、母の体調が戻ってきた。すると 「イクコに会いたいねぇ」 なんてことを言う。 母の6番目の孫・イクコは、消防士の旦那、3人の子供と、長野の小布施町で暮らしている。 看護士なのでコロナ下の管理が厳しく、1年半前の父の葬儀にも出席できなかった。母はもう何年も顔を見ていない。 じゃあ、こっちから訪ねてみるか。 というわけで、火曜午前10時、老人ホームに寄り、母を…

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孫と映画を観に行く

木曜日、天皇誕生日。 今上陛下はワシと同学年である。 さらには受験の折、同じ学校の同じ学部を受験している。 ちなみにワシは「滑り止め受験」であり、当時の殿下は「本命」であった。とゆうことは、まこと畏れ多いが、ワシのほうが賢いはずである。 だがしかし、滑り止めにならなかった。なぜかは知らない。 …それはさておき。 プータローの身の上であるから、祝日がさしてうれしくもなく…

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引越し貧乏

玄関のドアのカギが、いきなり壊れた。 カギを挿入してもウンともスンともいわん。 幸いにして、ドアのカギは上下の二段で、壊れたのは上のほう。 修理を頼むと2万円くらいかかるし、しばらく放っておくことにする。 カーテン、iPadに次ぐ「故障連鎖」の第三弾はこれであったか。 そういえば。 時を同じくして、トイレのドアも具合が悪くなってる。 浴室の塗装も剥げてきた。 据付型コ…

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なんちゃって一周忌

日曜。 ちょっと早いけど父の一周忌をやった。ホントは1月2日なんだけど、三が日に法事やるのも変だしね。 坊主も呼ばず読経もなく、墓参りもなし。浦和の近所にある和風ファミレスに関東近郊の親族が集まって飲み食いするだけだ。 弟は仕事で欠席、新潟から姉がやってきた。 子供2人、孫3人、ひ孫も3人が参加。 父の写真の前に冷酒を一合お供えして、わいわいとおしゃべりする。 母が楽しそうだ…

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37年目のお疲れ様

うちのかーちゃんは、学生時代、ワシに引っ張られて競馬場に通ううちに、ずっぽし競馬にハマった。(馬券ではなくサラブレッドにです、念のため) それもあって、学校を卒業後、競走馬牧場の東京事務所に就職した。 職場は六本木にあり、唯一の女性社員だった。 社長さんは無名牧場の次男坊から、日本一の競走馬牧場を築いた方だった。 その社長さんにかわいがられていたのだが、長女の出産を機に1年ちょっとで退職する。…

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世田谷線

火曜日。 朝方に降っていた雨が10時過ぎに上がった。 天気予報を見ると、午後からの予想気温16度。どうやら春の陽気になるらしい。 暖かい日差しの中で洗濯物を干しながら、ふと母の言葉を思い出す。 「生きてるうちに三軒茶屋に行きたい」 であればポカポカ陽気の今日がチャンスであろう。 その場でケータイを取り出し、母に電話。 「午後からサンチャに行こう」 昭和29年のこと。 保育専門学校を卒業した…