さんが書いた連載悪かったな、ジジイだけど料理も作るぞの日記一覧

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主夫業、日暮れて道遠し

痩せても枯れても主夫なので、メシは責任を持って三食作る。(除く週末) といっても朝は納豆・味噌汁プラス海苔や塩鮭の定番、昼もウドンやパスタで済ませることが多いから、きちんと作るのは夜だけ。 だがしかし、オッサンになってから主夫を開業したのでワンパターンの男メシである。餃子にカレーに唐揚げに焼魚、さらにはレバニラに麻婆豆腐。(かつてはこのローテにバラ肉チャーシュー乗せラーメンも加わっていた) …

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冬の終わりに牡蠣メシを

先週、関東では春一番がふいた。まだ寒の戻りはありそうだが、季節は桜に向けてゆっくりと移っていく。 春になると牡蠣の季節はおしまいだ。鯨家では冬の日の牡蠣を愛してやまないので、名残りを惜しんで牡蠣メシを作ろうと思い立つ。 今年は牡蠣が安かった。大振りなのが10粒入って400円。牡蠣は養殖イカダで手間を掛けて育て、収穫したあとも洗浄したり殻を剥いたりと、何かと人手の掛かる食材だ。この値段で牡蠣漁…

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金曜日の食卓

うちのかーちゃんは保育士やってる。徒歩5分の職場で週4日のパート勤務だ。 午前7時から9時、いったん家に帰ってきて午後4時から8時の2部制。ワシは無職プーの主夫であるからメシ担当。 きょうの朝食は塩鮭に味噌汁。昼はカレー。 午後3時、午後の出勤前にピアノを弾いてるかーちゃんに尋ねる。 「夜、なんか食いたいもんは」 「うーん。パスタとか。牡蠣のチーズ焼きでもいい」 うむ…

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鼻風邪とスパゲティ

先週の土曜はBCリーグの開幕だった。17年目。 幸いにして晴れたので、高崎まで出かけ「群馬-福島」を観戦する。お客さんは1000人くらいか。 ポカポカ陽気に油断し、薄い上着1枚だけはおって出かけたら、夕方から冷たい風が吹き始める。 翌朝になったら鼻水が止まらん。アイルランド以来の鼻風邪だ。 ちなみにいっしょに出かけたかーちゃんは何ともなく、さすが6歳長生きする生き物は違うな―と感…

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デブと耄碌とパスタ

さて。 ぶち壊れていたさいたま市のゴミ焼却場がようやく治ったとのことで、わが100円ジムも再開した。 だがしかし、フロで体重を測ったら堂々の88キロ。 「きゃあーーーー」 2年通って83キロ台まで来たのに。わずか1ヶ月で5キロ増とはどうゆう料簡であろうか。 このままでいくと年内で120キロに到達し、新弟子検査に合格してしまうではないか。 …てな話は置いといて。 …

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日曜の午後・月曜の午前

日曜。 気持ちよく晴れたけど風が強い。木枯らし2号かしらん。 洗濯ものを盛大に干すつもりだったが、かーちゃんの大型パンティなどが隣家の屋根に飛んで行っても困る。ウチも困るがお隣さんも大いに困るであろう。 よって二階の南向きの部屋を開け放し、室内干しに変更。それでも日差しが入るので夕方にはしっかり乾いた。 家事は午前中に済ませ、午後からはテレビのスポーツ中継をハシゴ。夕食は彼女が八宝菜…

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おいしい醤油ラーメンが食べたい

かーちゃんが勤めに出ると日中はヒマである。 掃除・洗濯・買物をフルにやっても、ふたり暮らしの小さな家であるから午前中にはカタがついちゃう。 ふと 「おいしいラーメンが食いたい」 なんてことを思いつく。 近所に何軒かラーメン屋を知ってるけど、最近は「横浜家系」「つけ麺」「濃厚味噌」なんてガッツリ系が全盛で「鶏ガラ醤油に細麺」なんて組み合わせはとんとお目にかからない。 …

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ナスに謝る週末

1月28日、土曜。 老人ホームに母を訪ねると、マンボーで面会禁止になっていた。 「相続関係の書類に、ハンコだけ欲しいので」 と頼み込み、なんとか中に入れてもらう。 部屋に入ると、母は1階のバルコニーに出ていた。どこからか遊びに来た小さな猫に、餌をあげている最中だった。 「タケちゃん、おいちいですかー」 なんてゆってるぞ。 「なんでタケちゃんなんだよ」 「おじーさんが死んだ後にやっ…

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ある日の夕食

わが配偶者は在宅ワークだ。 午後5時までリビングダイニングのテーブルで、しこしこパソコンでお仕事。 残業がなければ5時に終了。 それからのんびり新聞なんぞを読んで、少しピアノを弾き、6時を回ったところでジムに出かける。 で、帰ってくるのは9時過ぎ。 夕飯を摂るには遅い時間なので、おにぎりなんぞの軽食で済ませてる。 ワシも9時まで待つと「遅い夕食はデブのもと」なので、ひとりメシになる。 ひと…

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きのうの夕食、きょうの朝食

引き続きヒマである。 かーちゃんは明日の通院でギブスを外すんだという。 最近になって左手で器用に箸を使うようになった。 強制的に左利きの練習してるみたいでもある。よって 「おまえは星飛雄馬か!」 と(分かる人にしかわからない)ツッコミを入れる鯨である。 お義母さんがくれた洋梨が、いつまでたっても柔らかくならない。匂いを嗅いでも香りがない。試しに少しだけ食べてみると固い。 ひょっとしてハ…

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本日のレシピ・ヤマウドとイワシの酢の物

近所のスーパーにヤマウドが出ていた。栃木県那須の産で一本190円。 ヤマウドは雪どけのあと、渓流沿いの急斜面に生える山菜だ。 関東では畑の室(むろ)で栽培する白っぽいウドも売ってるけど、味・香りともヤマウドに及ばない。とはいえ、これは個人の好みであって、石原真理子が好きか高橋ひとみが好きかくらいの違いと思われる(40 年前のふぞろいの林檎たち参照)。ちなみにワシは当時の好みは石原真理子だったが…

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年またぎ

暮れの29日、父の具合が悪くなった。 発熱して起き上がれないそうな。 すぐに訪問医療専門の若い先生と看護師が駆け付ける。 年中無休24時間営業なんでありがたいけど、本人は大変そうである。医師ではあるが立場はコンビニ店長さんに近い。 聴診器を当てながら先生がゆう。 「肺の音はキレイですが念のため血液検査をします」 誤嚥を起こしてる可能性があるそうな。 金曜日に味噌ラーメン食わしたのがよくな…

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プリンとウナギと飛行機

木曜。朝起きて冷蔵庫を開けると、卵が一個だけあった。しばし考え、プリンでも作ろうか、と思い立つ。 卵一個、牛乳150CC、砂糖大さじ2杯、バニラエッセンスを少し。 グイグイかき混ぜて、漉して、カップ三つに分ける。アルミ箔で蓋をし、トロ火で12分温め、そのあと10分放置。(趣味人仲間のDさんに教わった) 間にカラメルを作る。鍋に砂糖をブチ込み、色が変わったらお湯をほんの少しだけ足す。カラメルが跳…

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おままごと

父とメシを食いながら聞いた話。 昭和20年代の終わり頃、東京の下宿に3歳下の弟が転がり込んできて、四畳半で2年間一緒に暮らした。 その間ずっと、父は弟に飯を食わせた。とはいえ学生であるから、メシを炊いて味噌汁作って一個のコロッケを半分づつ食ってたそうな。 そのうち幼稚園の教諭だった母をだまくらかして結婚、卒業と同時に所帯を持ち、やっぱり四畳半に二人で住んだ。 母は京王線の下高井戸の産だったか…

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しあわせの食卓

日曜の午後、クルマでエチゴの実家へ移動。 母は相変わらず入院中なので、父が面白くなさそうな顔で、ひとり、コタツに当たっていた。 台所にフキがあった。父が商店街までシニアカーで出かけて買ってきたらしい。 「タケノコご飯が食べたいなぁ」 なんてことを言ってる。 そこに、近所に住む姉が顔を出す。 「タケノコご飯のもと、生協で注文してたよ」 などと言いつつ、たなの中からビニールパックを取り出し…

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熱き血潮にふれもせで

スーパーをぶらぶら歩いていたらカキが出ていた。いつのまにかそんな季節になってる。ジジイになると時間が早く過ぎるな。 わが配偶者はカキが好物であるから、白菜、トーフなども購入し、今夜は軽くナベにしよう。 でもって家に帰り、のんびり夕食の準備をしていたら彼女が帰ってきた。 「ご飯にする、お風呂にする?」 なんて聞いてみて、ハッと思う。…なんかこう、本格的に専業主婦だなぁ。 で、風呂から上がっ…

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長年暮らしても、駄目なもんは駄目。

20年ほど前、職場が築地にあったころ、実にしばしば、「天龍」の餃子を食いに銀座まで遠征した。遠征といっても徒歩10分くらいだけど。 店の名物は、ドスンと大振りな肉餃子だ。皮もぶあつくて、めちゃめちゃ食べごたえがある。それが8個で一人前だった。 キツネ色に焼けたのをハフハフ言いながら食し、ついでに昼間だけどビールも一杯だけ飲んだ。 当時のお仕事は新聞屋だったので、休みは不規則だった。 土曜・日曜…