さんが書いた連載毎年見たいものの日記一覧

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「富士山へ行こう」

「紅葉が始まっているはずだ。」 家を出たときは、空全体はどんよりと曇っていて、とても山は見えないだろうと思っていたが、東京を突っ切る頃には青空が垣間見えるようになった。 中央高速を走っていると、突然富士山が。真っ白だ。空は晴れあがり、空気は澄んでいる。 富士スバルラインを登って行くと、緑色の中に薄い黄色や赤が混ざり始める。高度が上がるに連れてその枯れ具合が急激に深まっていく。 五合目は私を…

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桜⑥栃木編:「まだまだ間に合う」

「北に行けばまだ見れる」 私は一度桜前線を追う旅をしてみたいと思っていたが、それを口にした事などあっただろうか。忘れっぽいから、何度も言っていたかもしれぬ。 今年は関東辺りまでは一斉に咲いた感じだが、さすがに東北北海道はまだだろう。 朝6時に出発だと言われていた。朝食は前回の富士山同様途中で済ませることにしていた。早朝出発で台所に立たずに済むのはオカンには有難い。身支度は10分だ。 国道沿…

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桜⑤富士山と新倉山:「来年も必ず行きたい場所」

買い物の帰り道、黄色が鮮やかなヤマブキが目に入った。随分早い。この花が咲くと春の終わりらしい。 梅や桜には比べるべくもないが、ヤマブキも大昔から歌に詠まれて来た花だ。「七重八重花は咲けども山吹の実のひとつだになきぞ悲しき」。 駅に向かう道の両側にツツジが3、4分咲きになっている。この雰囲気はもうゴールデンウィークだ。 一度29度を経験した体はこのところの気温の変化に付いていけず、どうも体調…

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桜④ジョギング編:「よけない、よけない」

「〇〇公園までゆっくり走りましょう」 リーダーの言葉にホッとする。いつものコースだと走れる自信がなかった。 「その先の緑地まで足を延ばします。」 そこは名前だけは知っていたが、まだ行ったことはなかった。 集まったメンバーは10名ほどで今までで一番少なかった。皆家族と花見に出かけたのだろう。「桜を目指して走る」。人生初だ。想像しただけで笑顔が浮かんで来た。 その前のクラブの日は「市民の森」…

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桜③成田編:「桜と飛行機と錦鯉」

雪国に桜は少なかったから、関東の桜は本当に見事で贅沢に感じられる。雪国に桜が少ないのは雪の重みで枝が折れるからだと聞いたことがある。梅と違って桜は脆弱らしい。 桜の樹木としての寿命もほぼ人間と同じくらいだという。 花がパッと咲いてパッと散るのをよしとする人も多いだろうが、寿命も短いとなると余計に見たくなるのは、自分が年を取ってきたからか。 東京の桜を見たら千葉県の桜だ。さて、近所以外にどこに…

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桜②:東京編「今東京に車で行くと」

「花見でも行くか」 息子の言葉に舞い上がるオカン。カメラ、カメラ。テレビでは満開の東京が流れていた。 上野に向かう。果たして駐車場があるかと心配したが、上野駅間近の坂の下にある立体駐車場に入れると言う。 高架下の交差点には渋谷駅も真っ青の人の数。吐きそうに気持ち悪い。生まれて初めて人込みを見て思った。目線が低いせいもあるが、これだけの人間の塊は脅威だ。 交差点を右折したところで信号が変わっ…

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桜①近所編:「雨が降らない」

忙しい。カメラ持って出かけては撮り溜めている。PCで見る暇がなかった。 仕事もなかなかに面白い。なんせ職場は女の世界。働く人は女性だけだし、入居者も殆どが女性。イロイロある。だが、結局は誰を向いて仕事しているのかと思い直し、開き直ったらイロイロが気にならなくなった。 キョウジュと腕を組んで歩いた。と言えば昔懐かしデートだが、キョウジュは自力歩行が難しく転倒の恐れがある。 後ろに転倒するのだ…