さんが書いた連載おでかけの日記一覧

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「ボーッとしてると」

ホームに電車が入って来た。下りだった。仕方ない、乗るか。 これは「来た電車に乗る」という遊びだ。井上陽水は空港でこれをやると聞いた事がある。スケールが違う。遊び初心者に背伸びは禁物。 上りなら錦糸町でも上野でも時間が潰せるが、下りか。館山でも行ってみるか。 千葉止まりだったから千葉で乗り換えた。昔懐かしいボックス席だ。 木更津でみんな降りて行く。 「終点ですよ。ボーッとしてると○○まで行…

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「ガラスのトンネル」

まるで人の顔だ。それも笑った顔。大きなタラコ唇が可笑しい。 ガラスのトンネルは以前も見たが、こんな面白い魚はいなかった気がする。 ちょうど餌の時間らしい。水の向こうに飼育員の姿が揺れている。長い棒の先に餌の魚を付け、客が見安い位置に押して来る。 来た、ノコギリのような鼻を持つエイ。食べてくれるのか。おお、口に吸い込まれて行く。 さっきまでイルカのショーを見ていたが、終る寸前に出たから、ガ…

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「今年は70歳になる」

やっと一息ついた。今まで日記を書く気になれなかったが、やはりあの年の正月に何をしていたか、思い出したくなる日が来るかもしれない。 元旦は例年通り成田山新勝寺に行き、帰りに能登半島地震を知った。2日は娘一家が来て、帰った後幕張のアウトレットに行ったら大変な人出だった。 「311の時も、揺れなかったところは、こうだったんだね」 能登半島地震が頭から離れない。大変な揺れだったはず…

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「虹が出ていますよ」

ホームに降りて驚いた。涼しい。まだ1時40分。 「涼しいね。東京と千葉ってこんなに違うんだね。江戸川があるからかな」 「天気が変わったからじゃない?」 娘が言う。駅舎を出ると突然大粒の雨が落ちて来た。娘は弟クンをオンブしてズンズン進む。 弟クンもお兄ちゃんも電車の中では眠っていた。お兄ちゃんは歩くしかない。バアバはお兄ちゃんに付いた。幸い雨は直ぐに止んだ。 上野の国立科…

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「ここにいたのか」

小さな子供から小学校高学年くらいまで。子供達が大勢いる。ここにいたのか。 小さな子供は親と来ているのだろうが、小学生らしい集団は学童保育たろうか。 暑過ぎて子供達が外で遊べない。娘は葛西臨海水族園に行くと言う。 改札口を出ると子供達は私達の手から解放される。車も自転車も来ない広い舗道。 弟クンが観覧車を見つめている。 「誰も乗ってないね。観覧車の中は50℃くらいになるん…

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「隅田川花火大会を見た」

「スカイツリーから見る席、外れてよかったかもね」 娘が言う。隅田川花火大会をスカイツリーから見下ろすという夢のような企画があり、娘は申込んでいた。高い倍率は覚悟していたが、もしかしたらとバアバは期待していた。 やはり外れた。だが、諦め切れない。何せコロナで3年も中止だった。駅にあるタワーマンションには展望台がある。あそこなら見えるだろう。だが、人の考える事に大差はない。規制がかかるに…