趣味でつながる、仲間ができる、大人世代のSNS、趣味人倶楽部(しゅみーとくらぶ)

よくあるご質問

鉄子29さんが書いた連載自粛生活の日記一覧

会員以外にも公開
鉄子29
鉄子29

「月が明るい」

駅からの帰り道、私は信号で止まる度に空を眺めた。 満月より幾分左側が欠けているが、刷毛で掃いたような白い雲が月の隣にあり、より一層月の明るさや、まるい曲線の美しさ温かさを感じさせる。晴れ渡った空が嬉しい。 第一波より感染者が増えている以上、孫を訪ねる時に公共交通機関は使えない。 孫は手作りグミを作って待っていた。シミ一つないすべすべの肌やぷっくりした手を見ているだけで幸せだ。 午後4…

会員以外にも公開
鉄子29
鉄子29

「久しぶりに月を見た」

もう一度玄関から外に出た。黒い雲が流れていくが、満月に近い。温かい色だ。 雨戸を閉めようとガラス戸を開けると、思い掛けず月が見えた。一体どれくらい見ていなかったのだろう。 今日は青空が見えるだろうと朝には思わせたが、結局空模様は怪しくなり洗濯物を入れてから家を出た。 今日の運動は自転車と決め、気分よくペダルを踏んだが、直ぐにマスクを忘れたことに気付いた。引き返すのは面倒だ。買い物は出来な…

会員以外にも公開
鉄子29
鉄子29

「突然警戒音が鳴り響いた」

ちょうど仲間とばらけて、自分のペースで走っていた。急に空の上から不快な警戒音がした。大音量だ。 人の姿を探した。草むらの中に女性が一人いて、草刈りをしている。声を掛けた。女性は音に気付いていないようだった。 「大地震が来ます」 あたり一面に響き渡った。隣は小学校。まだ夏休みには入っていないはず。静かだ。揺れも来ない。 よかった。失敗だとしても大地震など来ない方がいい。 また走り出した。一…

会員以外にも公開
鉄子29
鉄子29

「身近に来たコロナウィルス」

とうとう岩手県にも第一号が出たという。ある意味みんなホッとしているのではないか。 癌を手術した病院で出てしまった。病院関係者二人が感染。院内感染だ。あの病院にコロナ病棟があることを知らなかった。最初感染者に対応する病院として発表された中には名前がなかった。 今までコロナウィルスに感染しても負ける気がしなかったのは「自分とは関係ない話」だったからだ。 冷蔵庫に貼っている次回の受診予約表を見…

会員以外にも公開
鉄子29
鉄子29

「自粛生活の限界」

信じられなかった。いない。 手を入れて隠れ家にしていた鉢をどけてみた。ポンプの裏側も見た。周りも見た。 玄関を見た。シューズをどけた。サンダルもどけた。 もう一度水の中を見た。気持ち悪くなった。朝は確かにいたヤツが消えたのだ。 水槽にはヤツ一匹しかいないから、共食いはない。もう一匹いた仲間を喰ったのはヤツだ。 玄関の隣は私が寝ている和室だ。部屋の戸はいつも開けている。もしヤツが和室に隠…

会員以外にも公開
鉄子29
鉄子29

「自粛生活②『山手線の電車に跳飛ばされて怪我をした、その後養生に、一人で但馬の城崎温泉へ出掛けた。」

冒頭の一文がすーっと、いや、ぱーっと心に広がる。ぞくぞくする。 偶々見ていたテレビで城崎温泉が出た。キノサキ温泉。 小説の名前は知っていて、気になるのに読まない本の代表『城の崎にて』。 「頭は未だ明瞭(はっきり)しない。物忘れが烈しくなった。然し気分は近年になく静まって、落ち着いたいい気持がしていた。」 「一人きりで誰も話し相手はない、読むか書くか、ぼんやりと部屋の前の椅子に腰かけて山だ…

会員以外にも公開
鉄子29
鉄子29

自粛生活①「夏に大掃除」

花王の『油汚れマジックリン』を吹き付ける。高い場所だから椅子に乗り、片足はシンク台に載せる。 転ぶ訳にはいかぬ。転んだら怪我をする。一体誰が救急車を呼ぶのだ。 着古した衣類は小さく切って捨て布にしてある。手が汚れないよう、たっぷり取って拭いていく。一度で油汚れが気持ちいい程取れる。 換気扇が終わったらタイルの壁にも洗剤を吹き付ける。 それからカビキラーを吹き付けておいた、お風呂場を片付け…