さんが書いた連載わたしが読んだ本の日記一覧

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中村文則「土の中の子供」(新潮社)を読む

2005年の芥川賞受賞作なのに、知らなかった。 もっと早く読むべきだった。 (たぶんわたしはこれからしばらく、中村文則の小説ばかり読むことになる。) 両親に虐待され、二人ともどこかにいなくなり、引き取られた親戚の家族からさらにひどい虐待をされ、ついには生きたまま山の中に埋められてしまう少年。助け出され、「彼ら」は逮捕され、施設で暮らす。 物語の時点では彼は30歳のタクシードライバーで、やはり…

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前回の続き

「親に壊された心の治し方」を読了したので、続きを書く。彼女の方法を紹介したいから。 今回は批判めいたことを書かない。 この本の最後の一章は、ある母子更正施設(いやな名前だが、厚生省が全国200ヶ所ほどに作っている、DVや貧困や障害などで正常な育児を行えない母と子のための施設)において実際に行われたプログラムが詳しく描かれている。 ファシリエーター(進行係)は著者自身。参加者はその施設で…

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「育ちの傷」を癒やす

藤木美奈子著「親に壊された心の治し方」(講談社)という本を読んでいる。読了の手前だけど、いろんな思いが駆け巡って、日記を書きたくなった。 この本の副題に「『育ちの傷』を癒やす方法がわかる本」とある。 初めて聞く「育ちの傷」という言葉に接し、わたしはむかし読んだ言葉を想い出していた。「殺人にはいろいろ種類がある。残虐非道な殺人・やむを得ない殺人・計画的な殺人・衝動的な殺人・正しい殺人・誤っ…