原発輸出 本質を歪める「5つの論点」

金子熊夫 (外交評論家・エネルギー戦略研究会会長)



 福島原発事故から丸3年。事故の後遺症はいまだ癒えず、原発再稼働の目途も立たない中で、政府が進める原発輸出政策には国民の間に心理的抵抗や倫理的違和感が少なくないようだ。福島事故の深刻な影響、とりわけ福島の被災者が蒙った、筆舌に尽くしがたい被害や苦痛を考えれば、こうした反応が出てくるのは当然だとは思う。

 しかし、原発輸出問題は、そうした国内的な面だけではなく、国際的な面からも考えるべき問題であり、軽々に判断することはできない。この問題をめぐる現在の国内の議論を聞いていると、果して原発輸出の意義や