仙台城下の芭蕉・・・もしも「歌仙を巻いたら」・・

 芭蕉一行は仙台城下を訪ね、元禄二年五月四日夕方、雨降る国分町の大崎庄左衛門に紹介されて宿をとる。
翌朝、芭蕉は橋本善右衛門を、曾良は泉屋彦兵衛宅を朝一番に訪ねる。この事が曾良の「随行日記」から読取れる。

さて、泉屋彦兵衛は須賀川の吾妻五郎七という侍の紹介と「随行日記」に記述があるが、大崎庄左衛門と橋本善右衛門を芭蕉に紹介した人物は不詳のままである。
芭蕉の旅は、必ず事前に滞在先の紹介を得て、宿を訪ね、歌仙を巻いている。

これまで大崎庄左衛門に関する記述は、「随行日記」以外皆無である事から、国分町の宿の位置さえ不詳であり、全く手掛りがないままである。