月松島の魅力

参考文献ー「日本三景展」:平成十七年「日本三景展実行委員会」発行

 月松島の魅力は、平安初期の『古今和歌集』に「しほかま」が詠まれ、『伊勢物語』に「わが帝六十余国に塩竈という所に似たる所なかりけり」と慕われた事から始まる。

松島は二百年過ぎた平安後期に歌枕として登場する。最も優れた歌人・西行が陸奥を訪ねたが、松島で和歌を遺なかった事から「西行戻し」が伝説となり、松島は「しほかま」、「松が浦島」に続いて歌名所になる。
 都ひとから詠まれた名所が松島であった事、さらに、「新古今和歌集」に最も多くの和歌(九四首)を詠んだあの西行が、二度も陸奥を訪ねたに