火坂雅志氏著 「黒衣の宰相」

火坂雅志氏著 「黒衣の宰相」を読みました。

 「黒衣の宰相」といえば、南光坊天海と金地院崇伝を指しますが、本書は金地院崇伝が主人公です。
 崇伝は出自がはっきりしていて、室町時代の名門・一色氏の出です。戦国末期に一色氏の滅亡で京都南禅寺に小僧に出され、勉学に励み野心満々で南禅寺の住職となり、朝廷から紫衣を許されます。家康に才能を認められ、幕府の創成期に活躍します。有名なのは方広寺の鐘の銘「国家安康、君臣豊楽」で大坂の豊臣家に難癖をつけ滅亡に導いた。其の後も「武家諸法度」「禁中並公家諸法度」「諸宗諸本山法度」などの重要な草案作りに携わった。
 一方の天海